2025年8月の記事一覧
日々の音色が紡いだ栄光
「全国高等学校軽音楽コンテストでグランプリをいただきました」。その言葉が持つ重みと輝きは、まさに全国優勝という高みからのものでした。校長室を訪れてくれたフォーク部のYagiri(やぎり)のメンバー、山田さん、中島さん、松井くん。少し照れたような、それでいて確かな自信に満ちた彼らの表情は、達成したことの大きさを何よりも雄弁に物語っていました。
見せていただいた演奏動画に、私は息を呑みました。そこに映し出されていたのは、高校生という枠組みを軽々と超える、驚くほどにクールで洗練されたパフォーマンスでした。落ち着いた大人のテイストを醸し出し、一音一音が磨き抜かれている。全国という大舞台のプレッシャーをものともせず、自分たちの音楽を堂々と表現するその姿は、観る者を惹きつけてやまない。
この数分間の演奏のために、彼らはどれほどの時間を費やしたのだろうか。気づいたらスティックを持ち、何度も音を合わせ、メンバーと意見をぶつけ合った日々。私たちの想像もつかないような、地道で、しかし確かな練習の積み重ねがあったに違いありません。それは決して楽な道のりではなかったはずです。
しかし、彼らは乗り越えた。なぜなら、心の底から音楽を「好き」だという純粋な情熱があったからだろう。「好き」という気持ちが、苦しい練習を楽しい時間に変え、仲間との絆を深め、ついには全国の頂点へと続く扉を開いたのです。
Yagiri(やぎり)が奏でた音楽は、多くの人々の心を揺さぶりました。日々の音色を丁寧に、情熱を込めて紡ぎ上げた結果が、グランプリという最高の栄光に結実したのです。この素晴らしい快挙に、心からの拍手を送ります。本当におめでとう。
未来への扉を開く、知の探究者へ
この度、本校の1年生 中野さんが、埼玉大学が主催する高大連携プログラム「HiGEPS(ハイジェップス)」に見事合格するという大変喜ばしいニュースが舞い込んできました。科学技術振興機構(JST)のグローバルサイエンスキャンパス後継事業として位置づけられるこのプログラムは、理数分野に優れた才能と情熱を持つ高校生のために開かれた、まさに未来への扉です。
合格した生徒は、日頃から化学部と生物部に所属し、その探究心を遺憾なく発揮してきました。身近な自然の摂理から、生命の神秘に至るまで、尽きることのない好奇心を原動力に活動する姿は、まさにHiGEPSが求める「眠れる探究心・好奇心・研究意欲」を呼び覚まされた若き科学者の姿そのものです。
HiGEPSは、単なる知識の詰め込みではありません。「理数+英語」を軸とし、「知と技、そして国際性」を兼ね備えた理工系人材の育成を目的としています。これからの一年間、彼女は高校という枠を飛び出し、大学という専門的な研究の最前線にも身を置くことになります。埼玉大学が誇る質の高い研究と教育に触れることで、これまで教科書の中で見ていた世界が、立体的で躍動感あふれるものとして立ち現れてくることでしょう。そこでは、一つの問いがまた新たな問いを生み、試行錯誤を繰り返す中で、科学的思考力や課題解決能力が飛躍的に高められていくはずです。
この貴重な経験は、生徒個人の成長に留まりません。大学で得た新たな知見や刺激、そして同じ志を持つ仲間との出会いは、学校に戻った際に、他の生徒たちにも大きな影響を与え、学校全体の知的好奇心をさらに高めてくれることでしょう。
一年間、慣れない環境で挑戦を続けることは、決して平坦な道のりではないかもしれません。しかし、その先には、自らの手で未来を切り拓くための確かな力が待っています。私たちは、無限の可能性を秘めた本校の生徒が、この素晴らしい機会を最大限に活かし、世界を舞台に活躍する科学技術の担い手として、大きく羽ばたいてくれることを心から信じています。
君が見ている景色と私が見ている景色(全日制:始業式)
おはようございます!
長かった夏休みが明け、新たな学期の扉が開きました。皆さんの元気な姿を見ることができ、大変嬉しく思います。
さて、仲間との議論や家族との会話の中で、「なぜ、そう考えるのだろう?」「私の意見の方が、どう考えても合理的じゃないか!」と、考えがぶつかり、もどかしい思いをした経験はありますか?
私たちは誰でも、自分の経験や知識に基づいた考え、いわば譲れない「正しさ」を持っています。そして、それは自分自身の視点から見れば、疑いようもなく「真実」なのです。今日は、そんな「正しさ」の正体について、ある町の物語を通して考えてみたいと思います。
駅前に、古くからの商店街が広がる町がありました。 ある日、その駅前を再開発し、光あふれる大きな商業ビルを建てる、という計画が持ち上がります。町の住民説明会では、意見が真っ二つに割れました。
一人は、その商店街で何代も続くお店の主人です。彼は、こみ上げる想いを込めて、力強く訴えました。 「この商店街の路地に響く『こんにちは』という声、人の顔が見える温かい商売こそが、この町の魂だ。再開発でその全てが失われるのは耐えられない。我々には、この大切な歴史とコミュニティを未来へ守り伝えていく責任がある!」 彼にとって、先祖から受け継いできた町の姿を守り抜くことは、何にも代えがたい「正義」でした。
一方、その主人の孫娘もそこに住んでいました。若い子育て世代です。彼女も発言しました。 「新しいビルができれば、町はもっと便利になり、雇用も生まれる。ベビーカーが楽に行き交える歩道、子どもたちが安心して遊べる広場もできる。未来のために、私たちは変化という希望を受け入れるべきです!」 彼女にとって、町の未来の発展と、そこに住む人々の利便性を追求することは、輝かしい「正義」でした。
住民説明会は紛糾します。 「町の歴史をなんだと思っているんだ!」「未来の子どもたちのことを考えてください!」 お互いに「この町を良くしたい」という純粋な想いを持っているのに、その声はすれ違うばかりです。
では、皆さんに伺います。この二人のうち、どちらかが間違っているのでしょうか? …そうだよね。誰も間違ってはいません。二人とも、自分が愛する町への偽わりのない「真実」を語っているだけなのです。
お店の主人は、「過去から現在へと続く、町の歴史と人のつながり」という座標に立って、そこから見える景色を見ています。 一方、娘は、「現在から未来へと続く、町の可能性と発展」という座標に立って、そこから見える景色を見ています。
ただ、二人が立つ「場所」、大切にしている「時間軸」が違い、そこから見える「景色」が違っているだけです。
私たちの学校生活も、これに似ています。 あなたたちがこれまで見てきた風景、読んできた物語、部活動で流した汗や涙。そのすべてがあなた自身の特別な「場所」を創り上げています。ですから、意見が違うのは、当然なんです。
本当に大切なのは、意見が衝突したその時に一度立ち止まり、「想像力」を働かせることです。
「この人は、どんな場所に立ち、どんな景色を見ているんだろう?」
相手の背景にある物語へと思いを馳せてみることです。そして、「なるほど、君からはそういう景色が見えているんだね」と、まずは相手が見ている景色そのものに敬意を払うこと。そこから、本当の「対話」が始まります。
自分の正しさだけをぶつけ合うのは、単なる「衝突」です。 しかし、互いの景色を想像し、尊重し合えた時、その衝突は「創造」へと変わります。「町の歴史の良さを活かしながら、新しい世代も惹きつけるにはどうすればいいか?」といった、誰も思いつかなかった第三の道が拓けます。
意見が違うことは、ダメなことではない。それは、新たな世界への扉です。
この2学期、仲間と何かを創り上げる多くの機会があります。意見がまとまらない時、方針がぶつかった時こそ、今日の話を思い出してください。「相手はどんな景色を見ているんだろう?」――この問いかけは、あなたのクラスを、そしてあなた自身を、より高いレベルへと引き上げてくれるはずです。
対話に満ちた創造的な2学期が始まります。あなたの活躍を心から期待しています。
羽田から世界へ、28名が笑顔の旅立ち!
羽田空港第3ターミナル。シドニーへと旅立つ28名の生徒たちは、出発前は緊張した面持ちでした。しかし、保安検査を通過する頃には、不安は期待へと変わり、笑顔で手を振る姿が見られました。彼らの瞳は、これから始まるオーストラリアでの新しい出会いと経験を前に輝いていました。
生徒たちを待つのは、まだ見ぬホストファミリーです。彼らもまた、海を越えてやってくる生徒たちに会える日を心待ちにしていることでしょう。所沢高校の生徒たちにとって、オーストラリアが「第二の故郷」となることを願っています。
今回の留学は、単に英語を学ぶためだけではありません。生活の中で「コミュニケーションツール」として英語を使い、日本の生活とは違う文化や価値観を体験することに意味があります。多様性や異文化を肌で感じ、理解を深める中で、生徒たちはきっと大きく成長してくれるはずです。
最高の思い出を胸に、笑顔で「ただいま」を
この留学が、生徒たちにとってかけがえのない経験となることを心から願っています。最高の思い出を作り、ひとまわり大きくなった姿で、日本の家族に元気な笑顔で「ただいま!」と帰ってきてくれることを楽しみにしています。
Happy travels !!
補習を終えて!
三日間の英語補習、お疲れさまでした。
この補習で、のべ69名の皆さんと向き合った時間は、私にとって忘れられないものになりました。
本当はもっとじっくり、時間をかけて進めたかった。文法や語法の解き方なんて、一朝一夕で身につくものではありません。ですが、この三日間で、あなたたちが少しでも自分の弱点に気づいてくれたなら、と思います。
弱点を知るということは、強くなるための第一歩だからです。
受験勉強はまだこれからです。わからないまま放っておけば、いつまで経っても先に進めません。この補習が、あなたたちが自分と向き合う、良いきっかけになってくれたら、これほど嬉しいことはありません。
これからもこれまでと同じように頑張っていきましょう! 継続は力なり!ですよ。