2024年4月の記事一覧
2024/4/25(木) 「正式試合」とは?
全校生徒のほぼ9割が何らかの部活動に加入したと聞きました。頑張ってほしいと思います。
4月20日(土)の3学年保護者でもふれましたが、どの競技でも、どういうことを「試合に勝つ」というかを決めているはずです。ちなみに公認野球規則2024を見ると、1-06に「正式試合が終わったとき、本規則によって記録した得点の多い方が、その試合の勝者となる。」とあります。
私が思うに、キーワードは「正式試合」「本規則によって」「得点の多いほう」です。
受験に置き換えると「志望校の(正式)入試が終わったときに」「ボーダーラインより1点多い」者が合格者ということです。「模試で」ではありません。「満点を取る」ことでもありません。「本規則」(=志望校・出題者がどのような解答を求めているのか)を承知したうえで、ボーダーラインより1点高い点数を確実にとるよう戦略をもってことに当たるのがセオリーです。
2024/4/22(月) 将来の「タカラジェンヌ」を応援しています
4月19日(金)に宝塚音楽学校で第112期の入学式が行われたと埼玉新聞の報道で知りました。記事には「埼玉から二人が歌劇の舞台で」とあります。このうちのお一人、宮崎穂(みのり)さんは所沢高校にもご縁のあった生徒さんです。ご活躍を期待したいと思います。応援していますよ。
2024/4/20(土)きょうの土曜公開授業から
4月20日(土)は、本年度1回目の土曜公開授業です。多くの中学生とその保護者の方々をはじめ、多くのご来校者にふだんの所沢高校の授業を見ていただいています。ある英語の教室では先生が全員の発音をチェックする(通称「ぐるぐる」)が行われていました。並行してPTA理事会が行われました。このあと午後には3学年保護者対象の保護者会が予定されています。
ご来校くださいましたみなさま、ありがとうございました。
2024/4/15(月) 春を送る
4月第2週となり、全学年で平常授業となりました。また、きのう・きょうは暑いくらいの陽気になりました。唐の詩人、白居易(はくきょい)は「送春」という詩で「人生行客(こうかく)に似たり、両足(りょうそく)歩を停(と)むること無し」と述べています。旧暦三月三十日、きょうで春は帰ってしまう。人生は歩き続ける旅人のようなもので、両足は一歩も歩みを止めることなく、日々進んでしまう、戦争や水火の災害なら避ける方法もあるが、老いだけは避けることができないと心境をつづっています。春を送る心境はちょうど友人や親族に別れを告げるようなものだというのです。
まだ先があるからと思っていると、あっという間に時間が過ぎてしまうもの。「いつやるか?」まずは「今でしょ!」
2024/4/12(金) 体育館通路のしゃくなげの花
けさ、体育の先生から「体育館通路わきにしゃくなげが咲いていますよ」と教えてもらいました。しゃくなげは漢字で「石楠花」と書きます。もともと高山植物だった(危険を冒さないと取りにいけない)しゃくなげの花言葉は「警戒」「荘厳」とのこと。2・3年生は部活動紹介も終わり、平常授業になっています。
2024/4/10(水)強風に耐えるさくら
きのう4月9日(火)全日制・定時制の入学式が行われ、あわせて382名の生徒を迎えました。所沢ではきのう、雨風が強く、最大瞬間風速が16.3m/sだったとのことです。満開になったばかりの桜は、惜しいことに花吹雪となってしまいました。けさ、校門前の1本の桜が風に耐えてほぼ満開のまま咲いていたのを見ました。「所高の精神」体現していますね。(けさ8時ごろ写す)
2024/4/9(火)これまでの「あたりまえ」を疑い、「地頭」を鍛えましょう(第79回入学式・式辞)
この冬は暖冬と言われましたが、桜の開花はここ十年で最も遅くなったそうで、ひさびさに新学期に桜という取り合わせになりました。本校をかこむ桜はまさに満開、みなさんの入学を祝福してくれています。街も明るく華やぐこの暖かな佳き日に、358名の希望に満ちたみなさんを迎えることができました。学校として、まことに慶びにたえません。
ご来賓の方々、本日はご多用にも関わらず、本校の入学式に御臨席を賜り、誠にありがとうございます。いつも本校を温かく見守っていただき心より感謝申し上げます。これまで愛情を持って育ててこられたご家族の皆様、立派な姿に感慨もひとしおのことと拝察申し上げます。
みなさんは、入学者選抜を通して選ばれた人たちです。不本意ながら進学した人もいるかもしれません。残念ながら、入学者選抜で選ばれなかった人たちもいます。入学に至るまでの努力を称えるとともに、このことを踏まえ、改めて、進学を決意したときの気持ちを忘れないでほしいと思います。高校生活では、つらいこともあるかもしれません。とくに本校では自ら鍛える決意と覚悟が、何としても必要です。
「高い志を抱き自ら考え行動するとともに、多様性を尊重し他者と積極的に協働して、自分と社会の未来を切り拓くことのできる人財を育成する」これが本校の目指す学校像です。本校は、126年前の明治31(1898)年に設立された「共立英和學舎」に始まる県下屈指の長い歴史があります。埼玉県西部地域の伝統校たる本校は、一世紀以上にわたり地域の期待を背負い、グローバルに活躍する人財の育成に努めてまいりました。「共立英和學舎入学者心得」には「本學舎ハ勉(つと)メテ自動的ノ方針ヲ取リ相互ニ學術(がくじゅつ)智識(ちしき)ノ交換ヲ爲(な)シ共(とも)ニ研礪(しれい)セシムルヲ以(もっ)テ旨(むね)トス」とあります。研礪(しれい)というのは砥石で研ぐこと、磨くことです。本校の目指す学校像「高い志」「自ら考え行動」「多様性」「他者と協働」「人財(人は宝)」に通じる先進的な考えが示されており、「入学者心得」の精神は現在まで受け継がれています。
本校は、大学受験で役立つ勉強だけでなく、大学に入ってから、さらには社会に出てから、一生役に立つ学力・能力を育てることを目指しています。地頭を鍛えることを求めます。これからの社会に必要なのは、文系の知識教養を備えた理系の人間、理系のセンスのある文系の人間です。三年後には、全員で大いなる満足とともに卒業式を迎えましょう。
「コロナ後」で大事なことは、社会生活を「コロナ前」の状態に戻すのではなく、劇的に進化させることにあります。これまでの「あたりまえ」を疑い、あたらしい発想で変革のチャンスと捉えていきましょう。校長室にも気軽に声をかけてください。ドアを開けてあるときはいつでも歓迎です。
きょうから保護者のみなさまと緊密な連携を図りながら教職員一同、79期生の心身ともに確かな成長に向き合ってまいります。この三年間は、お子様が大きく成長する時期です。保護者の方には、親として、人生の先輩としてまた一人の人間として生き方や価値観を伝える最後の大切な時期でもあります。この時期、子どもは知識が増え感性も磨かれ難しい年ごろとなりますが、普段から普通の会話をたくさんしていただくようお願いいたします。
そして、今後もPTA活動、部活動の保護者会、授業公開、学校行事等で、本校にいらしていただき、直接お子様の成長の姿をご覧いただくとともに、本校の学校運営についてのご意見をお寄せいただく等のご協力をお願いいたします。
結びに、みなさんが、所沢高校を選んでよかった、入学してよかったと感じ、来たるべきその時に向けてじっくりと考え、多くのことを積み重ねてくれることを念願して式辞といたします。
令和6年4月9日 埼玉県立所沢高等学校長 内田 正俊
2024/4/8(月)「小さなイノベーションを起こそう」1学期始業式での校長あいさつ
この冬は暖冬と言われましたが、桜の開花はここ十年で最も遅くなったそうで、ひさびさに新学期に桜という取り合わせになりました。本校をかこむ桜はまさに満開、みなさんを祝福してくれています。ただいまの着任式でフレッシュな先生方や職員の方々を紹介しました。わたくしもみなさんとご一緒に頑張ってまいります。よろしくお願いいたします。
さて、新学期のはじめにあたり、小さなイノベーションを起こそうという話をします。
(株)NTTドコモで2013年、2名の女性による小さなチームが立ち上がりました。「アグリガール」プロジェクトといいます。会社内で日本農業が抱える課題を会社のノウハウを使って解決しようという有志チームの皆さんです。ICTの先行企業は農業を近代化する大規模なシステムを開発し売り込んでいますから、後発企業が同じ土俵で競争しても勝負にならないことは見えています。安定した通信網を持つ会社の強みを活かそうと、スマートフォンなどで簡単に使えるヒントはないかと探していたところ、あるベンチャー企業が開発したシステムを見つけたといいます。
その一つが、牛の出産事故を防ぐ「モバイル牛温恵(ぎゅうおんけい)」というシステムです。センサーで母牛の体温を監視し、体温の変化から出産が近づいたり異常があったりしたときにメールで知らせるというものです。温度を測り記録すること、ある基準により警報を発すること、メールで通知することは以前から実用化されています。この三つをくっつけたところに新しさがあります。
これまで出産が近づいた牛がいると、昼夜関係なく付き添ったり、いつも気にかけ見回わったりすることなどが必要でした。ペットのように1~2頭ならともかく、畜産農家となればそもそも無理な話で、出産のタイミングをはずし、適切な介助ができず、母牛や子牛が死んでしまう事故がたびたび発生していたといいます。長年の経験や勘をたよりに出産のタイミングを見極めるため、休むことも出かけることもできずにいたのですが、牛のそばにずっといる必要がなくなり、子どもに「運動会を見に行くよ」と約束できるようになったといいます。
農業に限らず、日本の産業の課題として、後継者不足や高齢化があるのはご存じのとおりです。そのために新しい技術を生み出すことに精力を注いできました。このようにすでに実用化されているものを、関係ないと思われてきたところにうまく当てはめることも大事です。農業関連では、水田の水位や水温などをセンサーで監視し、スマートフォンなどを使って遠隔地からも確認できる「パディウォッチ」というシステムもあります。
アグリガールの人たちはもともとITの専門家でも理系出身でもありません。けれども、現場の悩みと会社の強みを結び付けることで新しい価値を生み出してきました。
立場や見方を変えたり、他の情報と組み合わせたりすることで、視界が開けてきます。ものの見方が1つのうちは、良いアイデアは出てきませんし、小さなイノベーションも起こりません。一つの知識を、関係ないように見える別の知識と、これまでとは違うかたちで組み合わせ、点と点をつなげることでイノベーションが生まれる可能性があります。
目のつけどころが変われば、発想力を磨くことができます。こんな感じで地頭を鍛え、ともに学び合っていきましょう。
校長室にも気軽に声をかけてください。ドアを開けてあるときはいつでも歓迎です。
最後になりますが、明日には新入生が入学してきます。上級生として、新入生をリードして、所沢高のさらに良い伝統を作ってください。みなさんが、学びつづけ地頭を鍛える姿を、楽しみに見守りたいと思います。
(通勤で見つけた桜です。見事です。)
2024/4/8(月) 所高の桜も満開です
4月8日(月)いよいよ新学期です。本校敷地をかこむ桜も満開、みなさんを祝福してくれています。
(午前8時ごろ校門付近で写す)