校長日誌

2023年8月の記事一覧

2023/8/29(土)所高祭準備ハレとケ

 今週予定されている所高祭に向けて準備が佳境に入っているようです。私が帰宅する際に所高生が(買い出しか?)駅の方から戻ってくるのにしばしば出会います。こんなことを思い出しました。

 日本民俗学の父と言われる柳田國男(1875~1962)は、民間に伝わる伝承などから日本の文化を分析し大きな業績を残しています。その一つの切り口が「晴れ(ハレ)と褻(ケ)」です。ハレというのは「晴れ舞台」「晴れ姿」の「晴」で神聖な日・特別な節目の日ということです。農耕生活を営んでいた日本では、変化の乏しい同じような日々が繰り返され肉体的にもつらい日々(ケ)が続きます。一方、ハレにあたるのが、例えば祭りや旅、儀礼だというわけです。ハレとケは混ざることはありません。ハレの場は光が輝く日ですから、準備にも手間をかけ、彩りを明るくし、着るもの食べるものも普段とは全く違います。

 多くのお客様をお迎えし、所高祭が光り輝く日になるよう期待しています。

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2023/8/26(土)きょうの土曜公開授業から

 所高ではきのうから新学期が始まりました。8月26日(土)は、二学期第1回の土曜公開授業です。体育では柔道、ダンスを、また夏休みの課題テストを行っている教室もありました。多くの中学生とその保護者の方々をはじめ、多くのご来校者にふだんの所高の授業を見ていただいています。空調効果のためドアが閉まっていた教室もあり、ドアを開けてよいのか迷ったとのお話もうかがいました。大変失礼いたしました。

 お暑いところご来校いただきましてありがとうございました。
 午後には2学年と3学年の保護者会が予定されています。

土曜公開授業 土曜公開授業 土曜公開授業 土曜公開授業 土曜公開授業 土曜公開授業

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2023/8/25(金) 2学期始業式・校長あいさつ「一つのことばによりかかるのをやめよう」

 「炎暑」(真夏の焼けつくような暑さ)どころか命にかかわる危険な暑さが続く夏となりました。この始業式も体育館で一堂に会して行う予定でいましたが、みなさんの健康を考え、オンラインでの始業式としました。

 この夏休み中、フォーク部の2つのグループが埼玉県の決勝大会を経て全国高等学校軽音楽コンテストに出場。報道などでも取り上げられましたが、野球部が創部100周年の記念式典を行いました。また、ニュージーランド研修など、所高生は日本列島だけでなく地球上を所狭しと活動しました。

 8月には九州や西日本などで台風や大雨で家を失う人や命を落とす人が出てしまいました。「大切な自分や他人のいのちをどう守るか」を考える機会にしてほしいと思います。まずは被害にあった人々が一日も早く生活を立て直すことができるよう祈りたいと思います。

 きょうは、「一つのことばによりかかるのはやめよう」という話をします。

 それまでなかったものが意識の対象に加わることを気づきといいます。何かに気づいた、違うと感じたということは、世界の一つの断片を他と異なるものとして認識したということです。そのものやことをとらえるためのことばが作られたということです。「雑草」と言われ見えなかったものが、一つの草に名前(ことば)があることに気づくと、他と違う、草そのものの姿を見ることができます。

 ことばが存在しない場合、そのものが目に入りません。存在しないのと同じです。考えるためにもことばが必要です。世界をことばで区切ることで一つ一つの要素が初めて存在できるようになります。世界の要素が先に存在して、そこに名前を当てているのではなく、世界をことばで区切ることで一つ一つの要素が初めて存在できるようになるということです。

 そしてものの見方は、用いる言語によって決まります。つまり、言語によって枠がはめられるということです。伝統的な日本語では、やまびことこだま、霞と霧など、現代からは同じに見えるものを別のものとして区別しました。

 新しいものが出現したときに、それまであったものとは違うことを示すため新しい名がつけられ、ことばが与えられます。もともと電話と言っていたものが自由に持ち歩くことができるようになったとき、それまでなかった持ち歩くことができる・できないという切り口から携帯電話・固定電話という新しい名前ができました。

 日本語でワンワンと鳴く動物を「イヌ」といいます。英語でドッグ(dog)はバウバウ(bow-wow)と鳴きますし、ドイツ語ではフント(Hund)がハフハフ(haff-haff)と鳴きます。スペイン語ではペロ(perro)がジャウジャウ(jau-jau)と鳴きます。

 こんな感じで「イヌ」を表すことばとその動物には、言語学的に特別な理由があるわけではありません。この動物を指す場合に「い-ぬ」という2つの音がこの順番で並ばなければならない理由はないということです。

 近代言語学の父と言われるスイスのフェルディナン・ド・ソシュール(Ferdinand de Saussure・1857~1913)は、このように、ことばとそれを表す対象には必然的なつながりがないことを「ことばの恣意性」と呼びました。

 コミュニケーションしようとする相手が自分と異なる言語話者であれば、うまくいかないことがあると予想がつきますが、ことばに恣意性があるとなれば、日本に暮らして日本語を使う人どうしでも同じことが起こるかもしれないということです。

 SNSなどで、自分が使ったことばを相手が自分の考えていたように受け取られず、炎上したり、行き違ったり、人間関係にひびが入ったりするということをよく聞きます。

 「理解してもらえた」「コミュニケーションが取れている」と思っても、その後の反応が自分の期待していたものと違う。周りと考え方がどうも違う。時に疎外感を感じることもあるかもしれません。地域に根付くことばの違い、育ってきた時代や生活体験の違い、どのようなことを常識とみるか、環境の違いなど、想像もできないようなところで誤解が発生しているかもしれません。

 単語一つとってもそれが何を指すかはことばを発する人によって変わります。異文化ギャップは、日本にいて日本語を使いなれていても大なり小なり存在します。

 一つのことばによりかからないことを勧めたいと思います。

「やばい美しさ」ってどういうこと?「普通においしい」ってどんな味?

 誰もが使うことばをいったん置いて、自分の思いにふさわしい、ぴたりと合うことばを見つけることを勧めたいと思います。

 2学期、3年生は具体的な進路実現の時が迫ってきます。最後まで全力で頑張ってください。1・2年生にとっても勉強や部活動に大いに飛躍する学期です。期待しています。

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2023/8/24(木)「秋きぬと目にはさやかに見えねども」

 全日制ではあす8月25日(金)から2学期がスタートします。また、きのう23日は二十四節気の一つである「処暑(しょしょ)」でした。ここ数日、当地では天気が急変、突然の激しい雨で、部活動中の生徒が避難する間もなくびっしょり濡れてしまいかわいそうでした。風邪をひかないよう気をつけてほしいものです。

 処暑とは、暦の上で、暑さが落ち着き始める時期にはいったわけです。平年のデータによると処暑あたりの週から「猛暑日」の日数が週ごとにはっきり少なくなるのだそうです。(きのう見た天気予報の受け売り)

 平安時代の歌人藤原敏行(ふじわらのとしゆき)に「秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる」(古今集・巻四)という歌があります。気づかないうちに忍び込んだ秋を詠んだもので、風が秋の香りになっているのに気づいたというのです。季節に限らず、盛りよりもはじめ終りの方が風情があるといったのは兼好(徒然草「花は盛りに」)でした。

 四季の豊かさが、過ぎていく季節を惜しむ気持ちやつぎの季節へのほのかな楽しみを味わう感度を磨いてきたのでしょう。

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2023/8/16(水)所沢高校野球部100周年・地域とともに

 きのう8月15日(火)付けの埼玉新聞に、所沢高校野球部が100周年の節目を迎え、藤本正人所沢市長様をはじめ多くのご来賓、歴代指導者の方々をお迎えし、盛大に式典が開催されたことを紹介する記事が掲載されました。また、同日の朝日新聞には同部の記念誌が紹介されました。

 「地域とともに」は野球部はじめ本校全体として今後もすすめてまいります。御支援のほどよろしくお願い申し上げます。関係のみなさまにこの場を借り感謝申し上げます。

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2023/8/16(水)ニュージーランド研修から帰国の途に

 8月16日(水)ニュージーランド研修一行は、成田空港に向け航空機に搭乗したと連絡がありました。予定通り本日夕方到着の予定です。

おはようございます。
生徒は無事に全員搭乗できました。
これから離陸です。
疲れた子も何人かいますが、みんな笑顔で帰国できそうです。
帰ったら、ゆっくり話を聞いてあげてください。

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2023/8/14(月)『野分』近づく

 先日の所高オープンスクールにお越しくださいました中学生のみなさんは「夏が勝負」と学習に励んでいらっしゃることと思います。体調にも気をつけ、夏を乗り切ってください。

 あすは天気がさらに荒れるようです。先週末、文化祭準備に登校していた生徒たちが、作業途中のあれこれを校舎内に引き上げていました。

 厳しい暑さもさることながら、晴れていたと思えば急に激しい雨、不安定な天気が続きます。空を見上げると青空ものぞいていますが、厚い雲に覆われていてどんよりしています。台風が近づいてくると大気の状態が不安定になり、大雨や雷雨をもたらすそうです。

 学校閉庁日でもあり、帰省するあてもないので、台風(=野分/のわき)からの思いつきで、漱石の『野分』を引っぱり出して読んでいます。

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2023/8/11(金)ラザフォード高校の制服

8月11日(金)こちらでは「山の日」です。NZ研修団からの報告が入りました。

 本校生徒のためにラザフォード高校がジャケットを貸してくれました。ラザフォード高校では、留学生のために貸し出し用のユニフォームの用意を常にしているそうです。
 冬の時期に雨がよく降るニュージーランドの気候にあわせて、外側は雨をはじく素材になっており、中側は裏地がしっかりしていて、とてもあたたかいようです。貸してもらった生徒達はとても喜んでおり「持って帰りたい」と言っていました。

ラザフォード高校の制服

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 本校ではきょう8月11日(金)から8月16日(水)まで学校閉庁日としております。保護者様から必要な連絡がありましたら、別にお知らせしてある本校アドレス宛にお願いいたします。確認後、学校から連絡させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

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2023/8/10(木)きょうのラザフォード

ニュージーランド研修引率の教頭先生から8月10日朝の報告が届きました。

おはようございます。写真は、今朝の登校後の様子です。
所高生は昨日会ったばかりのバディと仲良しになり、早速ハグしていました。
始業前の時間をみんなで楽しんでいました。

今日は、English class の他にKIWIANA CLASS が予定されています。
kiwiの文化を学びますが、生徒には内容はまだ内緒です。

ニュージーランド語学研修報告 ニュージーランド語学研修報告

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2023/8/9(水)ラザフォードの朝

ニュージーランドの教頭先生から第2報です。

 おはようございます。今朝のラザフォード高校の様子です。生徒はラザフォードの生徒たちともう仲良しになりました。今朝は虹がでており、ニュージーランドが私たちを歓迎してくれているかのようでした♪

ラザフォードの朝 ラザフォードの朝

------------------(余談です)------------------

 残暑お見舞い申し上げます。きのう夕方、自宅最寄り駅を降りた時に虫の鳴き声に気づきました。8月8日は暦の上で立秋。暑さはさらに続きますが、きょうからは「残暑」です。秋の虫たちはわかっているのですね。

 

 

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