校長日誌

人権を学ぶことは、生き方を学ぶこと

6月10日(水)

 所沢人権擁護委員の高橋様をお迎えし、全校生徒を対象とした「人権教育講演会」を開催しました。高橋様には、同和問題をはじめとする歴史的な人権課題から、インターネット上での差別的な書き込み、ステレオタイプや偏見、他者への妬みに起因する攻撃など、現代社会が抱えるリアルな人権侵害の形まで、具体的なアンケートやデータを基に丁寧にご講演いただきました。心より感謝申し上げます。

 今回の講演を通じて私たちが強く学んだのは、「人権問題は決して遠い世界の出来事ではなく、私たちの日常生活と地続きにある」ということです。特に、誰もが日常的に利用するインターネットやSNSの世界では、顔が見えない安心感からか、安易な偏見や心ない言葉が簡単に発信され、誰かの尊厳を深く傷つけてしまうリスクが常に潜んでいます。私たちは無意識のうちに、固定観念で他者を決めつけたり羨望の裏返しである妬みから誰かを排除しようとしたりしていないでしょうか。人権を守るとは、そうした自身の内面にある小さな歪みに気づき律していくことに他なりません。

 本校が掲げる「自主自立」の精神は、自らの行動に責任を持つと同時に、他者の自立と尊厳を認め合うことで初めて成り立ちます。真の自主自立とは、他者の痛みに寄り添い、誰もが安心して自分らしく生きられる環境を自らの手で創り出そうとする姿勢のことです。クラスや部活動など、身近な集団の中で「心理的安全性」を保ち、互いを尊重し合える関係を築くことこそが、人権尊重の第一歩となります。

 生徒の皆さんには、今回得た気づきを一過性のものとせず、日々の言葉遣いや行動、他者との関わり方を見つめ直すきっかけにしてほしいと思います。人権を学ぶことは、自らの生き方を学ぶことです。互いの多様性を認め合い、誰もが失敗を恐れずに挑戦できる温かい学校文化を、これからも共に築いていきましょう。