2024/8/11(日) “スイッチオフ”の古い言い方
森鷗外『舞姫』は1890(明治23)年に発表された小説です。短編ですので読んでもらえると嬉しいです。
冒頭に、太田豊太郎がなぜ『舞姫』をつづるかを語る一節があります。場面はセイゴン(サイゴン/ホーチミン)に停泊する日本行きの船の中。同行の船客はみな現地のホテルで過ごしている。「今宵はあたりに人も無し、房奴(ばうど)の來て電氣線の鍵を捩(ひね)るには猶程もあるべければ、いで、その概略を文(ふみ)に綴りて見む。」(「ザ・鷗外―森鷗外全小説全一冊―」(第三書館)1ページ)というのです。「ボーイが客室をまわって消灯のためスイッチオフするにはまだ時間があるはずだから」ということですが、当時「電氣線の鍵を捩る」と言ったのですね。
なぜこんなことを思い出したかというと、8月7日(水)の夕方、電車が不通になるほどの激しい雷雨となりました。落雷をごく間近で見て、その音響の激しさと昼間のようにあたりが明るくなったことに驚き、恐怖を感じたのですが、雷はまさに「電気線」ですよね。
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本校ではきょう8月11日(日)から8月16日(金)まで学校閉庁日としております。保護者様から必要な連絡がありましたら、別にお知らせしてある本校アドレス宛にお願いいたします。確認後、学校から連絡させていただきます。よろしくお願い申し上げます。