校長日誌

空想という名の冒険

  先週末、一人の生徒が「BumB WEEKEND」というワークショップでの一泊二日を終え、校長室に報告に来てくれました。彼女(1年生)が語るその時間は、まるで短編映画のワンシーンを切り取ったような、鮮やかな輝きに満ちていました。そこは、社会から求められる「正解」や、誰かに期待された「役割」を一度脱ぎ捨てる場所。掲げられたテーマは「非日常のなかで、自由に遊ぶ」ことでした。

  普段の自分とは違う自分になってもいい。難しいことに挑んで、堂々と失敗をする。未知のものに怯えるのではなく、好奇心を持って受け入れる。そこには、誰かに与えられた課題解決ではなく、自分自身の内側から溢れ出す純粋な「ワクワク」がありました。ショートショートを書き、五感を研ぎ澄ませて対話する。味覚、聴覚、嗅覚……。空想の世界をどこまでも膨張させ、見知らぬ仲間と感性で惹かれ合う。そんな、知性と感覚をフルに使った「遊び」を通じて、彼女は新しい自分自身の輪郭に触れたようです。

  報告を終えて校長室を後にする後ろ姿は、昨日までよりも少しだけ自由で、誇らしげに見えました。学校の外に飛び出し、「非日常」を生き抜いた経験は、何にも代えがたい成長の糧となるでしょう。

  学びとは、教室の中だけで完結するものではありません。 自分を縛る枠を飛び越え、新しい自分に出会う場所。

そんな生徒の姿に、私自身も大切なことを教わった気がします。