校長日誌

野球部 3回戦シード校と激闘!150分

聖望学園と激闘! 2本塁打を含む12安打も及ばず惜敗


左:初回の所高の先制点。西村瑠真(左)の2ランホームランのホームインを迎える4番攝田(背番号3)。タッチしているのは、内野安打で出塁し先制のホームを踏んだ杉崎。
右:7回の攻撃、先頭の立川が2塁へのゴロを俊足で内野安打とする。2番レフト杉崎はレフト・センター間を破るタイムリー2塁打。1塁から一気にホームに突っ込んだ立川は好返球でクロスプレーとなったがタッチをかいくぐってセーフ。




「7回コールド負け」と聞けばボロ負けと思う人がいるだろう。
 決してそんな試合ではな
かった。試合を見届けた者として私にはそれを伝える義務がある。
 相手は甲子園出場3回、全国ベスト8の実績を誇る聖望学園。私立の強豪である。快晴の上尾市民球場の第2試合。11:46猛暑の中で熱い熱い戦いが始まった。
 今日も所高は先攻だ。先発メンバーは1番から8番まで2回戦の大宮南戦のとおりだが、9番に入る先発投手は前田ではなく横田だ。


一般の生徒も応援に。吹奏楽部は「一意奮闘」の赤T。大宮南から託された千羽鶴。「必勝 ワッショイ所沢高校」の横断幕。

1 立川 翔登(サード) 5番
2 杉崎 雄也(レフト) 7番
3 西村 瑠真(セカンド)4番
4 攝田 一貴(ファースト)3番
5 濱田 惇也(キャッチャー)2番
6 松本 章宏(ライト) 9番
7 江口 裕大(センター) 8番
8 中澤 綜太(ショート) 6番
9 横田 潤平(ピッチャー)10番

 初回の攻撃。先頭の立川はライトフライに倒れる。2番の杉崎に相手投手は3球連続のボール。私が当然四球狙いで見送るだろうと思っていた4球目を杉崎は積極的に振っていく。ファールでカウントは3-1。大宮南戦でも全員がファーストストライクを打ちにいく積極性を見せていた。5球目を1,2塁方向へのセーフティバント、1塁にヘッドスライディングでセーフ!俊足を活かして内野安打で出塁。

 打席に入るのは3番セカンド西村瑠真、2年生。164cm、56kg、チーム最軽量の選手が右打席に入る。
 その初球。思いっきり引っ張った打球がカッキーーンと快音を響かせ、なんとレフトフェンスをライナーで越えた!! 
 3塁側の所高ベンチが見えるように私はバックネット裏のやや1塁寄りに陣取っていた。周りにいるのは聖望学園を応援する人たちだ。一瞬、周囲がしーーんと静まり返り、次の瞬間にどよめき。そして3塁側の所高応援スタンドに大歓声が上がった。先制2ランホームランの衝撃は絶大だった。
 続く4番ファースト攝田もセンター前にクリーンヒットを放つが5番キャッチャー濱田が倒れて1回は2点どまり。

 1回裏の聖望の攻撃。マウンドの横田は真上から投げ下ろす本格派。しかし立ち上がりのコントロールが定まらず先頭をストレートで歩かせる。2番打者にセンター前に運ばれ無死1、2塁。3番打者の3球目、聖望はダブルスチールを仕掛けた。キャッチャー濱田は落ち着いて3塁に送球しアウトを奪う。1死2塁となる。3番打者もセンター前ヒットで再び1塁、3塁のピンチ。
 ここで左打席に入った聖望の4番打者は背番号17番の1年生。見るからにでかい。試合後に資料で確認すると187cm、87kg、出身中学校の欄には広島県の中学校名が書かれている。打ったのは痛烈なゴロ。守備範囲の広いセカンド西村だが、1塁走者が投球と同時にスタートし2塁ベースカバーに入ろうとした西村の逆をつく形で速い打球が1,2塁間を抜けていく。これが2点タイムリー2塁打となり2-2の同点とされた。
 結局のこの4番打者に、2塁打3本を含む4安打4打点、1犠打(送りバント)と大暴れされた。


3回の攻撃、2塁打で出塁した1番サード立川が4番ファースト攝田のセンターへのクリーンヒットで勝ち越しとなる3点目のホームイン。攝田は5回のホームランを含む3安打2打点の猛打賞。

 同点で迎えた3回の攻撃。先頭1番の立川がレフト・センター間へ会心の2塁打。続く杉崎はバントの構えからバスター気味に三遊間を破り無死1、3塁とチャンスを広げる。西村の打席で1塁ランナーが2塁盗塁を刺され、西村もファールフライに倒れる。
 ここで打席には頼りになる4番の攝田。期待通り2球目をセンターにきれいにはじき返し、立川が勝ち越しとなる3点目のホームを踏む。続く5番キャッチャー濱田もライト前にヒットを打つが、所高ペースの試合運びはここまで。


左:3回の守備。3-4と逆転された場面で背番号17の西野勇生が伝令に。しかし・・
右:3-10と逆転されても3回の守りが終わらない。横田からマウンドを託されたのは2年生の二宮輝(背番号14)。相手は17番をつけた4番打者187cm、87kg。広島県から連れてきた1年生だ。

 結果的には勝負は3回裏に決した。3つの四死球と長短7安打(2塁打3本、バントヒット2本)とスクイズそして1つのタイムリーエラー。先発の横田はこの回、決して簡単に打ち込まれたわけではない。しかし・・
 この回途中でマウンドに上がった2年生投手の二宮輝も火がついた聖望打線を止めることはできなかった。それでも二宮は、この後、4回と6回を無失点で切り抜けた。

 もう一度、スコアボードを見てほしい。3回を終わって3-11だ。並みのチームなら聖望学園を相手にここで意気消沈する。
 しかし、所高は諦めない。4回には7番江口のレフト前ヒットから中澤がバントで送って、横田の進塁打で3塁へ。相手投手のボークで4点目をもぎ取る。
 さらに5回には、2アウト、ランナー無しから4番攝田がレフトスタンドにソロホームランを叩き込んで先発投手をマウンドから引きずり下ろす。

 13-5の8点差、コールドが迫る7回の攻撃は1番立川から。立川は2塁ベース付近のゴロを俊足とヘッドスライディングでヒットに変える。
 続く杉崎はレフト・センター間を割る痛烈な当たり。この2塁打で立川は1塁から一気にホームを狙う。ボールがホームに返ってくる。クロス・プレー、無理か! 立川は巧みなスライディングでホームを奪った(最上段の写真)。
 すごい! 聖望応援者からも思わず声が上がる。とうとう好投を続けていた2番手の左投手もマウンドから引きずり下ろした。この試合でそろって本塁打を放っている所高の3番西村、4番攝田の最軽量56kg、最重量94kg打線を前に、ついに聖望は温存しておきたかった背番号1番を投入した。所高の反撃はここまで。
しかし所高の攻撃が無得点で終わったのは、2回と6回だけである!

 所高は本塁打2本、2塁打2本を含む12安打6得点。私が春の大会で見たチームとは別物だ。一昨日の大宮南戦でTV解説をした片桐教諭(元顧問)が何度も「成長」という言葉を使っていたことを思い出す。

炎天下で応援を続けたベティーズ(バトン部)や吹奏楽部に感謝。右:三田地監督はマスコミ各社の取材に追われる。監督にとっても忘れられない一戦となった。

試合後のあいさつ。涙と拍手・・・・。一番右端の写真のうちわ「がんばれ 所沢球児!」は所沢プロペ通り商店街が作成し、野球部のある市内5校の生徒全員に配布されたもの。残念ながら本日、所西、所商も敗れ、所沢球児は大会から姿を消した。

 西村(瑠)、立川、江口、二宮、3年生と共にこの試合を戦った2年生は、大きな誇りを受け継いだ。
 所沢高校野球部は大正12年(1923年)の創部。今年120周年を迎える本校でも最も古い部である。95年の歴史を誇る所高野球部が高校野球100周年の記念大会で存在感を示した。