校長日誌

俳句甲子園地方大会開幕 所高文芸部 絶好調!

俳句甲子園地方大会開幕
所高文芸部 快進撃が続く!

 高校野球の夏の大会より一足早く本日(6月10日)全国各地で「俳句甲子園」の地方大会が始まった。

さいたまでは4校での総当たり戦6試合が行われた
試合は1校5人で1試合3句で戦う

 今大会は子規・漱石生誕150年記念、また20回記念の大会であり、過去最多の159校がエントリーした。そこには所沢高校の名もある。今回初めて埼玉県内に地方大会の会場が設けられることとなった。大宮のソニックシティビルでの大会には以下の4校が出場。総合成績1位の高校だけが、8月10日からの全国大会(松山大学)に出場できる。
・茨城県立結城第二高等学校
・盈進学園東野高等学校
・埼玉県立所沢高等学校
・千葉県立千葉東高等学校 

 埼玉2校と茨城、千葉各1校での代表権争い。4校総当り(合計6試合)。所高は、第1、第3、第6試合を戦う。
作品を披露し合った後でそれぞれの句を批評し合う言葉のバトル

 会場となっているソニックシティ6階の会議室を覗くと横一列にカラフルな女子チームが目についた。端には文芸部顧問の佐藤教諭の姿も。昨年度まで本校で文芸部の活動を引っ張ってくれた山本教諭が私を招き入れてくれた。
 開会式のあと簡単なルール説明があったがどうもぴんと来ない。コンテストのような形で作品の優劣が審査されて勝敗が決まるのではなく、観客の前で2校が対戦しその都度、勝負が決するというのだが・・・・。
 俳句甲子園のHPと観戦を通じて理解したルールを下に紹介する。

・1校(チーム)5人の団体戦(ほかに補欠がいる)
・2チームが赤白に分かれて対戦
・5人が事前に与えられた兼題の句を数日前までに提出済み
・試合ではその中から3句を選んで、出場順も決める。先鋒・中堅・大将の3句勝負
・5人ずつが会場前方にディベートのような形で向かい合って座り、代表者が俳句を読み上げ、それに対する質疑応答を行う
・先攻チームが相手チームの作品の弱点、疑問点等を指摘し回答を求める。発言は1回30秒以内。後攻チームが質問に答える。このやり取りが3分間
・攻守交替してもう一度3分間で終了
・対戦ごとに5人の審査員が判定し勝者の色(紅白)の旗を上げる
・審査員は各句を10点満点で採点(作品点)、さらにディベート形式のやり取りを聞いて観賞点として1点または2点をどちらか一方に与える
・上記2つの合計点で勝負を決める。同点の場合には作品点が高いほうの勝ち
・これを1試合につき3回(先鋒・中堅・大将の3句)行う

第一試合は所高(赤)対千葉東(白)。兼題は「陽炎(かげろう)」
【先鋒】
所高:  陽炎に棲みついてゐる陸上部
千葉東: 陽炎や青の絵の具がない海へ

先攻の千葉東の質疑:
なぜ陸上部なのか、野球部でもサッカー部でもいいではないか
所高の回答:
スタートのクラウチングスタイルや砂に突っ込む(走り幅跳び?)姿など地面との距離の近さ、そして体にぴったりフィットした陸上部のウェア姿が他とは違う

後攻所高の質疑:
「陽炎」(春)と「海」(夏)は季重なりでは。青のない海? 場面が浮かばない、海は濁っているのか?
千葉東の回答
オレンジや赤の海、夕日の海だ

 5人の審査員の旗揚げは所高(赤)5本で圧勝。
 審査員の講評。所高の句は「棲む」という文字の選択がよい。陽炎の中に陸上部が棲みついているイメージがよく伝わる。千葉東は「青の絵の具がない」という面白い表現を活かしきれなかった。これだけで夕日の海を思い浮かべることは難しい。

 俳句という文芸作品をめぐって、厳しい時間制限とルールの下、言葉の格闘が繰り広げられ、次々に勝負が決していく。
左:東野航行と結城第二高校の判定の旗揚げ
右:所高は第一試合、第三試合とも3-0(3句とも勝ち)

 以下作品と結果のみ紹介する。

第一試合【中堅】
所高:  陽炎を越えて葬儀にゆく日かな
千葉東: 手には網陽炎を追う子らの影
4-1(所高の勝ち)

第一試合【大将】
所高:  陽炎を踏んずけてゐるハイヒール
千葉東: 陽炎の止みて迫れり夜の風
4-1(所高の勝ち)
パンプスではだめ、ハイヒールの方が攻撃力高い

 3句とも所沢高校の圧勝であった。
 第二試合の盈進学園東野対結城第二は、結城第二の勝利。そして迎えた第三試合は所高(赤)対東野。兼題は「石鹸玉(シャボン玉)」に変わる。

第三試合【先鋒】
所高: 石鹸玉ふくらみすぎて目をつむる
東野: 石鹸玉遅刻した僕をおいてゆく
4-1(所高の勝ち)
石鹸玉はきらきら光る将来の夢。それがふくらみすぎてはじけて消えた?
遅刻した僕をおいていってしまうシャボン玉は、まぶしく輝く彼女の姿

第三試合【中堅】
所高: 土中なる草花の根や石鹸玉
東野: 縁側の雨映す子の石鹸玉
4-1(所高の勝ち)
「根」は動くことのできない自分たち、青年期のもやもや。空に浮いたシャボン玉はあこがれ

第三試合【大将】
所高: 石鹸玉今までついた嘘の数
東野: 石鹸玉割れて目をやるカレンダー
4-1(所高の勝ち)
口先から吹き出すたくさんのシャボン玉。思えば子供のころからたくさん嘘をついてきた。でもそれはすぐに消えてしまうシャボン玉のように罪のない小さな嘘

 今年のチームは才守有紀、新妻望、湯浅真優、小田良枝、山口遥の3年生女子5人組。才守は昨年に続いての出場。昨年のチームは才守以外の4人は男子だったという。

 私は第三試合終了後、会場を後にした。ここまで所高は2試合を戦い、6句すべてが旗揚げで5-0もしくは4-1の圧勝。松山での本戦が見えてきた!