2024/11/26(火)「もみじ」と「かえで」
きょう1時間目、2年生の書道の授業を見学しました。秋をイメージする漢字を書で表現するというテーマで、生徒は創作に励んでいました。選ぶ題材によっては著作権にも注意することにも触れられ、生徒は「月」「桔梗(ききょう)」「甘藷(さつまいも)」などおもいおもいに表現し、完成作には落款(らっかん/落成の款識(かんし))が捺され、立派に仕上がっていました。これも生徒が彫ったそうです。
ところで、授業で「もみじとかえではどう違う?」という話があり興味を惹かれました。
「もみじ」のもとである「もみつ」という古語の動詞があります。「葉が色づく」「紅葉する」という意味ですが、時代が下ると「もみづ」と濁音化するなど発音の変遷も感じることばです。また、『万葉集』では(先週この欄で紹介した「春と秋とどちらがいいか」など)ほとんど「黄葉」という漢字をあてます。中国から伝わった書き方でしょうが、当時は葉が赤く(紅く)なるより黄色くなることを賞美したのかもしれません。現在「紅葉」と書くのと異なりおもしろいです。
「かえで」は古語で「かへで」と書きます。葉の形が蛙(=かへる)の手に似ていることから「かへるで」がつづまった形、と古語辞典にあります。「もみじ」との違いは諸説ありそうですが、葉の形か大きさの違いということになりましょうか。