校長日誌

2024/11/6(水)「オブジェ」ということば

 先週土曜日に学校見学会がありました。同じ日に市内の塾で所高の説明をしてきました。中学生に所高の概要を説明すると、体育祭で各連合が「オブジェ」を製作するという話になります。

 「オブジェ」ということばですが、『現代流行語辞典』(1974)の「年代別項目一覧表」に「『オブジェ』昭和4、新語だとばかり思っていたことばが案外古くから使われているのにおどろかされた」と見坊豪紀(けんぼうひでとし/国語学者・1914~1992)が書いています。(『辞書と日本語』玉川大学出版部)

 「オブジェ」は昭和4(1929)年の「新語」だというのですが、見坊氏は現代に近い「新語」と認識していたようです。国語辞典には、フランス語に由来するとして「ダダイズム、シュールレアリスムなどの前衛芸術において、象徴・夢幻・怪奇的効果をあげるために用いられる材料。従来は芸術的なものとなり得なかった石、流木、車輪、毛髪などさまざまなものがある。とくに生け花では花以外の日用品や自然物などのさまざまな物体。また、それを用いた造形美術」(日本国語大辞典・小学館)とあります。

 もともと日本になかった芸術的概念を主張することばだということがわかりました。辞書は引いてみるものです。