校長日誌

1学期終業式

1学期が本日で終了します。終業式では、次のような話をさせていただきました。

 

 皆さん、おはようございます。

 本日、こうして無事に1学期の終業式を迎えられたことを、まずは嬉しく思います。

  この1学期、私は皆さんの姿を見ていて、何度も心を揺さぶられ、深い感動を覚えました。一つあげると体育祭です。皆さんが全力で力を注いだ競技、地を揺るがすような応援、そして学年の垣根を越えて、時にぶつかり、時に支え合って戦い抜いたあの姿。すべてが終わった後のグラウンドに、何が残っていたでしょうか。それは、やり切った者だ けが共有できる、目に見えない強い「絆」と、心地よい疲労感、そしてお互いへの深いリスペクトだったのではないでしょうか。

 「体育祭は終わらない」という言葉が、今も私の胸に残っています。単に行事が楽しかったから名残惜しい、ということではないでしょう。体育祭を通じて皆さんが手に入れた「仲間と本気でつながる感覚」や「一つの目標に向かって限界を超えていく快感」は、行事が終わったからといって消えるものではない。日々の生活に、そしてこれからの人生に、形を変えて生き続ける。だからこそ「終わらない」のだと、私は受け止めています。

 みなさんは、どう思いますか?

  現在進行形で進んでいる所高祭の準備もそうです。行事に対する皆さんの気持ちと、それと同時に、周囲の仲間や環境を思いやる細やかな配慮。どんな形でもいい、「誰もが主役になれる場所を、自分たちの手で創り出す」その強い意志と行動力に対して、私は校長として、心からの感謝と、最大の賞賛を送ります。皆さんは本当に素晴らしい。

 しかしながら、皆さんが「だれもが良い行事にしたい」「もっと素晴らしいものにしたい」と本気で願うからこそ、今、わずかではありますが見え始めている現実もあります。それは、人間関係のトラブルや、意見の衝突です。本気だからこそ、譲れない。一生懸命だからこそ、温度差にイライラしてしまう。そんな葛藤が、教室内や有志グループの中で起こることもあります。

  これは、決して悪いことではありません。皆さんが真剣に向き合っている証拠です。だからこそ、ここで一度、立ち止まって考えてほしいテーマがあります。

 それが、「リーダーシップ」と「フォロワーシップ」の共存です。

 これからの時代に求められる「リーダー」とは、どんな存在でしょうか。周りの意見に耳を傾け、仲間の力を信じて引き出し、任せるところは任せる、「心理的安全性」を創り出せる人。失敗を恐れずに挑戦する背中を見せられる人。それこそが、これからのリーダーの姿ではないでしょうか。

  では、これからの「フォロワー」とは何でしょうか。ただリーダーの言うことに黙って従う「指示待ちの傍観者」ではありません。リーダーのビジョンを共有し、自分に何ができるかを主体的に考え、時にリーダーが迷った時にはそっと支え、建設的な提案ができる人。主体性を持ったフォロワーがいて初めて、リーダーは輝くことができます。

 お互いが「お前ならできる」「一緒にやろう」とポジティブな声を掛け合い、誰もが時にリーダーとなり、時に最高のフォロワーとなる。この信頼関係こそが、所沢高校の集団の強さではないですか。

 さて、明日からはいよいよ夏休みです。

2学期に入ると、全校で創り上げる所高祭が待っています。1年生は、様々な経験を通して、未来のためにそれぞれの力を積み上げていってください。2年生には修学旅行が控えています。そして3年生は、総合型選抜や学校推薦型選抜をはじめ、いよいよそれぞれの未来を拓く本格的な受験がスタートします。この長い夏休み、皆さんは何に取り組みますか。

 ここで、一つの有名なお話を紹介します。

 三人のレンガ職人がいました。彼らはそれぞれ、同じように汗を流してレンガを積んでいました。通りすがりの人が「何をしているのですか?」と尋ねました。

  一人目の職人は、つまらなそうに答えました。「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるのさ。朝から晩まで大変だよ」二人目の職人は、こう答えました。「この壁を造っているんだ。これで家族を養うためのお金を稼いでいるのさ」しかし、三人目の職人は、目を輝かせて空を見上げながら、こう答えました。「私は、多くの人々の心の拠り所となる、素晴らしい『大聖堂』を建てているのです」

  やっている作業は、三人とも同じ「レンガ積み」です。しかし、見据えている未来の景色が全く違います。皆さんの夏休みの勉強や、行事の準備、部活動の練習は、一見すると地味で、単調な「レンガ積み」のように思えるかもしれません。しんどい、止めたいと思う日もあるでしょう。しかし、その一枚のレンガは、皆さんが将来、自分自身の人生に建てる「大聖堂」の、かけがえのない基礎となります。

  自分が将来、どんな大聖堂を建てたいのかは、どんな人間になり、どんな風に社会と関わっていきたいのかという意味です。その大きな志を胸に抱きながら、そしてわくわくしながら、目の前の一枚のレンガを、今日、明日と、こつこつと積み上げていきましょう。誰のためでもない、皆さんの素晴らしい未来のために、この夏休み、有意義な「レンガ積み」を続けてくれることを期待しています。

2学期の始業式、一回り大きく、逞しく成長した皆さんと元気に再会できることを楽しみにしています。