校長日誌

校長日誌

2024/12/5(木) SNSを悪用した犯罪を防ごう

 定時制ではきょうから、全日制ではあすから期末考査が始まります。自習スペースは毎日フル活用されています。よき新年が迎えられるよう最善を尽くしましょう。

 先週、所沢署の方にお話を伺う機会がありました。
 所沢署管内でも「福祉犯」が減らない。「福祉犯」とは、少年の福祉を害する犯罪を指し、「闇バイト」なども含め、SNSが入口になることがほとんど。万一、SNSに起因する被害を受けた時には「犯人が証拠写真やメッセージが消してしまわないうちに」「早く相談」が重要。証拠がないと犯罪そのものの立件ができないので、一刻も早く相談してほしい。2024年2月には改正刑事訴訟法が施行されており、性犯罪などの被害者を守る個人特定事項秘匿制度により、犯人に氏名などが通知されないことが原則になっているので、被害を受けながら相談できない人や保護者に知らせてほしい。…とのことでした。

 また、孫や甥(おい)、市役所や金融機関の職員を名乗る犯人が「会社での失態を弁償」「保険料の還付がある」などと電話をかけ、ATMを操作させたり、キャッシュカードを受け取りに来たりして、信じた被害者からお金をだましとる詐欺の手口があります。このような「特殊詐欺」の被害者は圧倒的に高齢者が多いです。中高生の子どもや孫(あなた)からご家族に注意するよう言ってもらえると、被害に遭う前に気を付けてくれると思うので、ご家族で話題にしてほしいとのことでした。

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2024/12/3(火)~紙の辞書を使う意味~

 論理表現(英語)の授業を見ていて、紙の辞書を使っている人はほとんどおらず、電子辞書を使う人がやや多く、辞書そのものを使わずネット検索で済ます人も多い印象があります。紙の辞書だと重くてかさばるうえに発音を表すことができない。電子辞書なら持ち運びしやすく早いし手軽。スマホで済むならそもそも辞書も必要ない。ただ、ネットや電子辞書でクリックひとつで目的の単語に行き着く合理性は「他人が持っている情報を見せてもらう」ことと同じなので、記憶に定着させるとなると弱く、自分の使えることば(語彙)が増えていかないように思います。

 授業やこの欄を準備しているとき、複数の辞書を参照し見比べたいことがよくあります。電子辞書でも切り替えは可能ですが、異なる編著者が違った視点から説明するのを実感しながら読めるのは紙の辞書ならではです。ページをめくり目的のことばにたどり着くまでに、途中のページにひっかかり、迷っていた別のことが解決したり、どのような関連でことばが説明されているかに気づいたり、目的のことばの近くに並ぶ別のことばなどに気を取られながらようやく目的のことばにたどり着くなど、この過程こそがことばを使いこなすために大事だと感じます。

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2024/11/30(土)ご来校いただきありがとうございました・土曜公開授業&第4回学校見学会

 11月30日(土)は、本年度11回目の土曜公開授業を行いました。多くのご来校者に所沢高校の授業を見ていただき、部活動の見学、有志生徒による個別相談、教員による個別相談などを行いました。学校概要の説明については別に動画を用意しています。今日の授業も通常の授業です。「お見せする」ための授業ではございません。ありのままを見ていただき、進路選択の参考にしていただければ幸いです。

 生徒にとっては期末考査まで1週間となりました。ここががんばりどころです。
 中学生のみなさまも体調には十分留意され、目標に向け進んでください。
 ご来校くださいました中学生、保護者のみなさま、ありがとうございました。

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2024/11/26(火)「もみじ」と「かえで」

 きょう1時間目、2年生の書道の授業を見学しました。秋をイメージする漢字を書で表現するというテーマで、生徒は創作に励んでいました。選ぶ題材によっては著作権にも注意することにも触れられ、生徒は「月」「桔梗(ききょう)」「甘藷(さつまいも)」などおもいおもいに表現し、完成作には落款(らっかん/落成の款識(かんし))が捺され、立派に仕上がっていました。これも生徒が彫ったそうです。

 ところで、授業で「もみじとかえではどう違う?」という話があり興味を惹かれました。

 「もみじ」のもとである「もみつ」という古語の動詞があります。「葉が色づく」「紅葉する」という意味ですが、時代が下ると「もみづ」と濁音化するなど発音の変遷も感じることばです。また、『万葉集』では(先週この欄で紹介した「春と秋とどちらがいいか」など)ほとんど「黄葉」という漢字をあてます。中国から伝わった書き方でしょうが、当時は葉が赤く(紅く)なるより黄色くなることを賞美したのかもしれません。現在「紅葉」と書くのと異なりおもしろいです。

 「かえで」は古語で「かへで」と書きます。葉の形が蛙(=かへる)の手に似ていることから「かへるで」がつづまった形、と古語辞典にあります。「もみじ」との違いは諸説ありそうですが、葉の形か大きさの違いということになりましょうか。

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2024/11/25(月) 長距離走大会を走り終わって

 11月22日(金)に狭山市の入間川サイクリングコースを会場に長距離走大会を行いました。大会運営に協力してくださった関係各機関のみなさま、応援してくださったご近隣の方々、ご通行中の方々ありがとうございました。

 きょう2時間目、選択体育の授業を見学しました。大会翌日ということもあり、このクラスでは、100位までに入った10名の生徒が拍手で讃えられていました。また、ほとんどの生徒が「自分として頑張ったと言える」に自信をもって(‼)手を挙げていました。スピードはある意味「生まれつきの素質」だと思うのですが、持久力や忍耐力は学習することで強化されると考えます。困難から逃げずに正面から取り組むことができるというのは、所高生の特筆すべき資質です。

 あす11月26日は「いい(11)チーム(26)」の日、ソフトウエア関係の企業が制定した記念日だそうです。強みを高め合い、弱点はフォローしあうことで、組織として力を最大にできればどんなことでも実現しそうです。

長距離走大会 長距離走大会

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2024/11/19(火)秋と春とを比べると?

 きのうあたりから急に寒くなってきました。ただいま定時制の3年生は修学旅行で関西に行っています。行きの新幹線では美しい富士山が見えたそうです。今朝の富士山は頂上近くが真っ白になっていました。17日(日)に見たときは雲も多いながら、雪の白さがわからない感じでした。いよいよ秋も終わりですね。
 『万葉集』に「春の花のさまと秋の葉のさまとを競わせたら」との御下問に額田王(ぬかたのおおきみ)が応えた和歌があります。

 冬ごもり 春さり来れば 鳴かざりし 鳥も来(き)鳴きぬ 咲かざりし 花も咲けれど 山を茂み 入りても取らず 草深み 取りても見ず 秋山の 木の葉を見ては 黄葉(もみじ)をば 取りてそしのふ 青きをば 置きてそ歎く そこし恨めし 秋山われは(巻一・16)

(大意)春になると鳥も来て鳴き、花も咲く。山は茂っており手に取れず、草も深く手折って見ることもできない。秋の山は葉を見る、もみじを手に取り賞賛し 青い葉はそのままにして嘆く。そこに恨めしさを覚える。秋の山こそ私は。

 秋の色づく美しさの勝ち。葉の色は遠くから見るのが美しく、花の色は手持ちで見るのが美しいのだが「山が深く手で取れない」から秋の勝ちだというのです。鎌倉時代の兼好法師は『つれづれ草』で花見に来て枝を折って騒ぐ人を非難しています。(137段『花は盛りに』)花は遠くから眺めるのがよい、というのです。「春と秋のどちらが好き?」はいまでも話題になりますが、奈良時代『万葉集』まで遡ることができるのも驚きです。

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2024/11/16(土) 所高総探コラボ「ぷるぷる♪狭山茶のつや玉」誕生前夜

 きのう11月15日(金)の1年5組・7組地理の授業では、ゲストに5人の卒業生(大学生)が参加、菓子メーカーの不二家と所沢高校の有志生徒が共同開発したスイーツ「ぷるぷる♪狭山茶のつや玉」誕生を語ってくれました。ことし9月に所沢駅前・エミテラス所沢開業記念ということで販売されたことも記憶に新しいところです。

 話は2021年の秋、1学年の総合的な探究の時間(総探)の「マイテーマ」にさかのぼります。
 きっかけは、たまたま席が近い・部活動つながりなどから意気投合し5人でグループを組み、入間市に住む生徒の「地域の名産『狭山茶』の温度感が低い」との熱い課題意識からこのテーマに決まったとのこと。商品開発をしてみたいとその場で検索し、有力企業にさっそく電話、門前払いの会社もあったなか、話を聞いてくださったのが不二家さんだったとのこと。5人はまず、お茶を知らないと、というわけで狭山市の宮野園さんにアポを取ります。いろいろと教えていただき、茶摘みを体験させてもらい、お茶のサンプルをたくさんいただいてきたとか。事前準備も功を奏したものか、不二家さんでも熱心に耳を傾けてくださり、企画が動き出します。

 「形にする」には、幻想(イメージ)だけではまったく足りません。実際的な技能もそれ以上に必要になります。5人は「高校生だったからできた」と言っていましたが、この「沸点の低さ」「フットワークの軽さ」「協力を引きつけるフックの力」と、力押しにも見えるプッシュ。所高生の強み「3つの『フッ』プラス『プ』」が入学から半年で早くも全開となっています。

 スライドやアイディアスケッチの実物もまじえてたくさんのお話を聞くことができました。ここから先が気になる人は生徒から詳しく聞くとよいと思います。後輩への貴重なお話をありがとうございました。

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2024/11/12(火) 入試には「3つの『フ』プラス『プ』」と「戦略」

 きのう、推薦入試で大学への合格を決めた生徒が報告に来てくれました。

 書類審査に提出した資料のいくつかを見せてもらい、その質・量ともに圧倒されました。(書類審査を通過し)面接に呼んでもらえれば、合格に持って行ける自信があったそうです。確かに、推薦入試は大学入試の第一関門です。志望の理由や高校時代の活動実績を書いただけで合格できるわけがありません。

 大学で学びたいこと(テーマ)を熱く書き、面接でも熱く語ったそうです。一つのことに120点が取れ、合格できる人もいるが、自分はそうではない。ただし、80点は取れるものが三つある。三つの異なる強みを持つ高校生はそんなにいないとの読みもあったそうです。これらの強みを書類を読む先生や面接の先生に刺さるように考えたそうです。また、自分を合格させることは、大学にとってもメリットがあることを具体的にアピールしたと言います。写真も家族に200枚以上撮ってもらい、訴求効果を計算し提出資料に反映させたそうです。

 いろいろな機会にお話ししていますが、沸点が低い、フットワークが軽い、フック(他人や外部とつなぐ・つながる)の「3つのフ」…というのは所高生らしい特質です。プラス「プッシュ」。それらをどう磨き上げるか。お話を聞いて、推薦入試をおすすめできる人は次のような人だと思いました。
(その1)将来やりたいことが明確な人
(その2)熱烈に興味・関心を持つテーマがある人
(その3)他人を巻き込んで何かをすることが得意(好きな)人

 所高生の「3フ」をもとに戦略を立て周到に準備し事に当たる、そして「プ」が大事だと感じた貴重なお話でした。

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2024/11/8(金)生徒の話し合いを聞いて

 3年生の論理国語の授業を見せてもらいました。熊野純彦氏の「言語と他者」を扱っており、生徒はグループに分かれ、スライドをつくることで内容を理解する、という意欲的な授業空間でした。

 英語のwaterには、温度感がない印象があります。日本語の「水」には温度感があって、水そのものに「つめたい」という性質がくっついているといえます。英語で「熱いwater」と言えても、日本語では「熱い水」とは言いにくい。日本語では「水」と「湯」をどこかで区別(=異なるもの)して認識しているわけです。空から氷のようなものが降る現象も「ゆき」「みぞれ」「あられ」「ひょう」などと区別して認識します。

 時間の流れを考えたとき、どこからどこまでを過去ととらえ、未来ととらえるか。古文の助動詞「き」「けり」は直接経験したか伝聞など間接的な経験なのかを分けています。現代日本語では「た」しかなく、表す意味の守備範囲が広がっています。文脈で読み分ける必要が出てきました。「2004年狭山市に『生まれる』」は過去を表しています。「大阪に着いたら『連絡します』」は未来を表します。

 実際に自分の前にあるのは現在だけです。過去も未来も日本語という言語によって認識したものに過ぎません。連続しているはずのものやことを自分なりに区切って認識しています。使っている言語によって世界の「見え方」が変わってしまうということです。

 生徒の使い方を聞いていると意味の守備範囲が特に広い「やばい」という形容詞(?)があります。このことばを常用し、何かにつけて「やば」で済ますことは「私からの世界の剥奪」されただけでなく「他者に対する〈もの〉の呈示」にもなっていない状況なのではないでしょうか。

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2024/11/7(木) きょうは「立冬」体調に気をつけて

 きょう11月7日(木)は「立冬」、こよみの上で冬がおとずれたことになります。

 きのう富士山で初冠雪とのことでしたが、甲府地方気象台でも雲に隠され確認できなかったそうです。けさは校舎からくっきりと見えます。

 定時制では、あす夜の文化祭に向け、各学年とも準備に余念なく、遅くまでリハーサルが続いたと聞いています。

 秋が忘れられた感じもしますが、朝夕の寒暖差が大きいです。「tenki.jp」に「所沢市の風邪ひき指数」という数値が出ています。それによるときょうが「50」あすが「40」で、「風邪予防に、睡眠を十分に取ろう」「風邪予防に、過労に気をつけよう」とあります。体調管理に注意してまいりましょう。(富士山/きょう朝7時40分ごろ写す)

所高から富士山を望む

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