校長日誌

校長日誌

2025/1/20(月)「現代語に訳す」とは?

 きょうから3年生は学年末考査となります。有終の美を飾ってほしいと願うばかりです。そこで、古典の授業を見学して感じたことを書きます。「現代語訳しなさい」というとき見たいのは、古文のことばを現代のことばに置き換えることができているかどうか、です。その文の一つ一つのことばが意味するところを正確に現代のことばに置き換える、という意味です。「自今以後も汝(なんぢ)らよくよく心得(こころう)べし」(平家物語『殿下乗合』)を訳す場合「べし」が現代語の「べき」に当たるにしても「よくよく心得(こころえ)るべきだ」では残念ながら訳したことになりません。

 参考書に載る現代語訳は、時代背景や前後関係を補い、こなれた訳に仕上がっているので、古文のどのことばがどのように現代語に置き換わっているのかわかりにくくなっていることがあります。学習上の「訳」というのは「英語→日本語」も同じだと思いますが、「正確に」「一つ一つのことばを置き換える」ことを意識しましょう。ちなみに、古文は同じ日本語だけに語順については現代語とほぼ変わりません。

 「ギョエテとは俺のことかとゲーテいい」という川柳があります。明治時代の作らしいのですが、ギョエテかゲーテか、エルサレムかイェルサレムか、ロサンゼルスかロスアンジェルスか…など、外国の人名や地名を日本語にするなど、異なる言語のことばを写し取るには限界があり「ゆれ」を生じます。日本語どうしでも、時代が大きく離れている現代語と古文にも、同じように訳すうえでの限界がある、つまり「近似値」なのだと思ってください。

 高校生活最後の考査です。美しく決めましょう。

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2025/1/23(木)1学年ラグビー大会が開幕しました。

 きょう1月23日(木)午後、1学年の第51回ラグビー大会が開幕しました。別に「今日の所高」に載ると思いますが、3試合がPK戦にもつれ込むなど熱戦が続き、全力で競技にぶつかるようすは見ていてすがすがしいものでした。本校にラグビー部はありませんが、この大会が連綿と続いていることに伝統を感じます。本日は駿河台大学ラグビー部のお二人の選手にお越しいただき、ご指導いただきました。ありがとうございます。

ラグビー大会開幕

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2025/1/20(月)大学入学共通テストおつかれさまでした

 1月18日(土)19日(日)の2日間にわたって大学入学共通テストが行われました。所高生も多数受験しました。実力を発揮することができましたでしょうか。新科目の「情報」が基本的な問いが多く「意外にできた」とか、理科(化学)で「枕草子」の化学発光に関して「夏は夜…蛍の多く飛びちがひたる」が選択肢にあったりと、従来の常識(?)にとらわれず出題していることが見て取れました。
 このあと、さまざまな情報を見ながら具体的に出願大学を固めていくことになります。応援しています。

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2025/1/17(金) きょうは「おむすび」の日

 30年前(1995年)のきょう1月17日のあさ5時46分、阪神淡路大震災が起きました。ところで、1月17日は「おむすびの日」でもあるそうです。阪神淡路大震災が起きた時、被災地への炊き出しに「おむすび」が届けられた温かい心の象徴として記念日とした、とのことです。災害の発生を防ぐことはできないにしても、自助、共助、公助がうまく組み合わされば、復興を速め被害を減らすことができるはずです。

 ちなみに6月には「おにぎりの日」というのもあるようです。

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2025/1/16(木) 阪神淡路大震災(1995年)をイメージする

 30年前(1995年)の1月17日の早朝、阪神淡路大震災が起きました。高速道路の高架や新幹線の線路が崩壊した写真には衝撃を受けました。昨年度の修学旅行で、避難所となった旧神戸市立二葉小学校で避難所体験を行いました。

 被災経験者であるボランティアの方のお話が印象に残っています。救助された人の7割弱が家族も含む「自助」、3割が隣人等の「共助」により救助されており「公助」である自衛隊や救助隊による救出は2%に過ぎなかったというのです。

 政府の地震調査委員会は、次なる巨大地震とされる南海トラフ地震が今後30年以内に起きる確率を「80%程度」と公表しました。大地震が起きた場合、翌日くらいまで消防車も、救急車も、救助隊も来てくれない可能性が高い。事態を想定して「自助」「共助」できる態勢をつくっておくことが大切だと思います。改めて「安全・安心」が「あたりまえ」ではないことを考えてみましょう。

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2025/1/13(月)「吾妻地区新春のつどい」に参加しました

 きのう1月13日(月)は成人の日でした。所沢市内でも着飾った新成人の方々を見かけました。

 この日行われた「令和7年吾妻地区新春のつどい」に参加してきました。所高近隣の町内会の連絡組織である吾妻町内会連絡協議会のみなさまが主催され、町内会のみなさま、消防、スポーツ活動、交通安全の見守りはじめ地域に根ざした活動をされている方々など百名を超える方々が出席、にぎやかな会となりました。来賓に小野塚所沢市長様、国会議員・県議会議員・所沢市議会議員の方々など、各界のみなさまが一堂に会し、地域が、非常に多くの方に支えられて成り立っていることをあらためて実感しました。

 会場内では町内会の活動を紹介する映像が流されていましたが、昨年秋の吾妻地区文化祭で活躍する所高生も紹介されていました。関係のみなさまからも所高生の活動についてお褒めのお言葉をたくさんいただきました。地域の方々と楽しく交流でき、楽しいひとときでした。

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2025/1/11(土)土曜公開授業&学校見学会にご来校いただきありがとうございました

 きょう令和7年1月11日(土)は「ラッキーセブン」に数字のはじまり「111」が並ぶ縁起のいい日です。所高はみなさんの挑戦の一歩を後押しします。受験生のみなさまも体調には十分留意され、がんばってください。

 本年度13回目の土曜公開授業を行い、並行して教職員による個別相談などを行いました。学校概要の説明については別に動画を用意しています。きょうも「お見せするための授業」ではなく、レギュラーの授業を行っています。ありのままを見ていただき、進路選択の参考にしていただければ幸いです。

 お寒いところ、また貴重な受験勉強の時間を割いてご来校くださいました中学生、保護者のみなさま、ありがとうございました。

土曜公開授業土曜公開授業

土曜公開授業土曜公開授業 

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2025/1/10(金) 3年生「演奏研究」選択者コンサートを行いました

 1月10日(金)3年生の音楽「演奏研究」選択者によるコンサートが行われました。選択者全員による合唱を皮切りにハンドベル、創作曲の弾き語りなど、それぞれの思いが込もった美しい響きを披露しました。「崖の上のポニョ」など誰もが知っている曲もあり、音楽室がさわやかな雰囲気に包まれ、心にしみるひとときでした。

演奏研究選択者コンサート演奏研究選択者コンサート演奏研究選択者コンサート

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2025/1/8(水)【3学期始業式あいさつ】「共通通貨」を求めよ

 新年おめでとうございます。令和7年が始まりました。ことしは戦後80年。昨年9月の修学旅行で認識を新たにした激しい沖縄戦から80年が経過したことになります。昨年日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受けました。受賞の席でも戦争体験者や被爆者の方々が高齢となり、若い世代による継承の意義が強調されましたが、未だ収束の見えぬ国際情勢の現状があります。一昨年9月の修学旅行では避難所となった旧神戸市立二葉小学校で震災体験学習を行いましたが、1月17日で阪神淡路大震災から30年になります。

 この冬休み、フォーク部が全国高等学校軽音楽発表会への進出を決めたということで、3月に福岡県久留米市で大会が行われるそうです。後日壮行会が開かれるのだと思いますが、まずはお知らせしておきます。おめでとうございます。活躍を期待します。

 3学期の始めにあたり、「共通通貨を求めよ」という話をしようと思います。

 先日、新聞の「人生相談」欄にこんな記事がありました。相談者は事務職の女性です。書類に誤りを見つけたので修正してほしいというと「大きな影響はない。いちいち直していたら効率が下がる」と言われ、自分の仕事の意味を否定され空しい、という相談です。回答者は「仕事における効率性と正しさとのバランスをどうとるか」は、企業内でもよくみられる対立である。価値観が違う集団が折り合いをつけていくためには両者にとって利害が一致する「共通通貨」を見つけ、最大化する必要がある、と回答しています。(讀賣新聞12月17日「人生案内」)

 営業担当者は価格や納期など客の要求に応えたい。企画デザイン担当者は経費や時間をかけて質の高いデザインをつくりたい。法務担当者はコンプライアンスに不備があっては困る。会計担当者は必要な経費を確保するためには各方面との調整がいるしそのための手続きもいる。無駄な支出はカットしたい。客を満足させたい思いが対立を生みます。「最大の共通通貨」をどのように求めるか。この問いに正解はなさそうです。

 ここ数年の入試問題を見ていると、知識があれば解答できるような問題が減り、「『共通通貨』を求めよ」という問題が増えています。

 かつては、定型的な知識や解き方をたくさん持っていることが評価されてきました。これまでは、世の中の変化が緩やかだったので、ストックしてきた経験や知識を活かすことが解決への近道でした。さまざまな情報にアクセスすることが簡単ではなかったため、経験豊富でさまざまな知識を持っている人が重宝されました。

 検索が手軽になり、AIが入ってくるとストックされた知識そのものの値打ちが下がるのが速くなります。新モデルの製品が発表されるとこれまでのモデルが安くなるように。世の中の変化が激しくなると、「やったことがある(経験)」の価値も大きく下がります。

 いまは、自分とは価値観の異なる人たちとコミュニケーションを図り納得感のあるかたちで伝える力や、答えのない問いに協働して取り組む姿勢が重視されていることが見て取れます。共通テストもマーク式ながら思考力や表現力、多様性や協働性を測ろうと工夫していることがわかります。

  一つの例です。正月恒例の箱根駅伝では「外国人留学生については、エントリーされる16名のうち2名まで、大会当日出場する10名のうち1名まで起用できる」というルールがあるそうです。

 外国人留学生とはどういう人を指すのでしょうか? そもそも日本人とはどういう人を指すのでしょうか? 枠組みに入るのは誰で、誰が排除されるのでしょうか。

 どのように枠組みを設定するかによって、まったく異なる結論が導かれることが予想できます。つまり論理そのものがどんな場合にも通用する普遍的なものでないことをおさえておきたいと思います。

 「論理」が普遍的なものでない以上、論理を組み立てる力、論理的に考える力もまた普遍的ではないことになります。

 筋道が通っているように見えても、「自分に都合のよいロジックを組んでいないか?」「事実と意見、目的と手段などを区別して考えているか?」など、前提そのものを疑い、本質を吟味する必要があります。

 総合的な探究の時間発表会などを見ると、所高生の強みは正解のないことをおもしろいと思える「沸点の低さ」「フットワークの軽さ」「協力を引きつけるフックの力」とプッシュ力にあると考えます。「共通通貨を求めよ」という入試も含め、風は所高生に吹いています。

 3学期も期待しています。

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2025/1/7(火)「冬日」つづく

 所沢では新年に入り1日(水)と4日(土)を除き、きのうまで最低気温が(おもに朝ですが)氷点下となっています。(アメダス記録による)「冬日(ふゆび)」で、手元の国語辞典によれば「冬の太陽。冬の弱い日差し」また気象で「1日の最低気温が0℃未満の日」とあります。「冬の日差しや太陽」「気温が低い日」二つの意味があるのですね。最低気温0.0℃の日は「冬日」でないようです。

 東京での冬日の出現回数も減っているようで、池袋から電車に乗ったときなど「(乗った30分前より)寒い!」と感じることが多く、暖房のため寒く感じるのかと思っていましたが、データを比べてみると気のせいではないようです。

 あす1月8日(水)が全日制・定時制の始業式となります。今週1月11日(土)には学校見学会を予定しております。授業や生徒有志との個別相談を通して所沢高校の「素」にふれる機会です。所高を感じ足りない方はぜひお出かけください。風邪などひかないようお過ごしください。

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