校長日誌

校長日誌

2025/2/14(金) 2年生・保健授業で調べ学習発表会

 2月14日(金)4時間目、2年4組の保健の授業では調べ学習発表会が行われていました。教科書にあるいくつかのトピックから「医薬品の制度と活用」「保健行政の役割と住民理解」「医療サービスのありかた」「世界の保健行政」など、各自の問題意識に応じたテーマを選んだそうです。自身の入院体験からの提言もありました。

保健授業・調べ学習発表会 2年保健授業・調べ学習発表会

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2025/2/14(金) 最後を飾る2年2組・8組の合唱発表

 2月1日(土)から、1・2年生の音楽の時間に合唱発表会が行われています。その最後を飾る2月14日(金)2時間目に2年2組・8組の合唱を聞くことができました。全体合唱YOASOBI「群青」に加え、2組はSEKAI NO OWARI「プレゼント」(この曲は2015年 NHK全国学校音楽合唱コンクールの課題曲でした)、8組は東日本大震災のあと、歌で日本をつなげ被災地を応援しようと企画された「歌おうNIPPONプロジェクト」向けに作曲された作品「ほらね、」を演奏、1年間の練習の集大成(生徒談)とのことで、各パートのバランスの取れた素晴らしいハーモニーでした。聴いてくださった学年主任の先生をはじめ先生方からコメントしていただきました。

2学年合唱発表会 2学年合唱発表会 2学年合唱発表会

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2025/2/13(木) 1年生の合唱発表会を聴かせてもらいました

 2月13日(木)2時間目・4時間目の音楽の時間に1年1・2・3・4組の合唱を聞くことができました。各時間の全体合唱「虹」(森山直太朗作曲)に加え、1組は「RPG」、2組は「リメンバー・ミー」、3組は「残酷な天使のテーゼ」、4組は「正解」を演奏、親しみのある選曲が多く、伴奏も美しく決まっていました。多数の先生方にも聴いていただきました。

1学年合唱発表会1学年合唱発表会

1学年合唱発表会1学年合唱発表会

1学年合唱発表会1学年合唱発表会

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2025/2/12(水) 1年生の合唱発表会を聴かせてもらいました

 2月12日(月)2時間目・6時間目の音楽の時間に1年5・6・7・8・9組の合唱を聞くことができました。各時間の全体合唱として「虹」(森山直太朗作曲)を演奏、この曲は2006年の第73回NHK全国学校音楽コンクールの課題曲として作曲され、信長貴富氏の編曲による美しい曲ですが、さらにクラスの思いを乗せ、パートのバランスをうまくとり、見事なハーモニーをつくりました。5組は「点描の唄」、6組は「スパークル」、7組は「レオ」、8組は「風になる」、9組は「プレゼント」を演奏、多数の先生方にも聴いていただきました。コメントしながら涙腺がゆるんでしまった先生もいらっしゃったようです。

 1学年合唱発表会 1学年合唱発表会

 1学年合唱発表会 1学年合唱発表会

 1学年合唱発表会 1学年合唱発表会

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2025/2/10(月)1学年・2学年 創作ダンス発表会が行われました

 きょう2月10日(月)午後、1・2学年・創作ダンス発表会が行われました。

 合わせて18団体の見ごたえある演技を見せてもらいました。先生方も口々に「完成度が高い」「表情がよかった」とおっしゃっていました。朝夕の通勤電車で体育着のまま乗車している生徒を毎日のように見かけました。イメージを表現に落とし込むのに相当メンバー間の意見の「ぜめきあい」があったのではないでしょうか。審査の先生と会場の生徒による投票(たとえば1年生の演技には2年生が投票する)によって決まるとのことで、優勝は両学年とも9組となりました。男子によるクラス応援団の「黄色い(?)」声をうけてのびのびと表現できたかと思います。

 企画・準備・運営に当たってくださったみなさま、ありがとうございました。

1・2学年創作ダンス発表会 1・2学年創作ダンス発表会

1・2学年創作ダンス発表会 1・2学年創作ダンス発表会

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2025/2/10(月) 2年生の合唱発表会を聴かせてもらいました

 2月10日(月)4時間目・音楽の時間に2年3組と7組の合唱を聞くことができました。2クラス全体で「なんでもないや」を演奏、各パートのバランスの取れた素晴らしいハーモニーでした。3組は「サザンカ」、7組は「まちがいさがし」を演奏、10人の先生方にも聴いていただきました。学年主任の先生から「一部で教員が『ブラック』と言われるが、このような演奏に接することができて、教員も捨てたものではないな」とのコメントをいただきました。心が洗われる思いで、まったく同感です。

2学年合唱発表会 2学年合唱発表会 2学年合唱発表会

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2025/2/7(金)「きさらぎ」

 今週月曜日が立春でしたが、前の週の春のような暖かさから一転、寒い1週間となりました。とはいえ、2月に入りインフルエンザも落ち着いてきた印象で、県内での流行警報も解除されたと聞きます。

 2月を古く「如月(きさらぎ)」といいますが、「如」の字をあてるのは、自然や万物が神の意のように(如)に現れ出るからとか。由来は諸説あるでしょうが、まだまだ寒さが厳しい時期で、更に衣を重ね着する「衣更着(きさらぎ)」また、陽気が更にやってくるので「気更来(きさらぎ)」、草木の芽がふくらみ出す時期なので「草木張月(くさきはりづき)」が変化したなどの説があるようです。厳しい寒さの時期を表すことばと、少しずつ春が近づく様子を表すことばとが共存しており、季節が変わり始める時期らしさを感じます。

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2025/2/3(月)「立春」と魔よけの御札(おふだ)

 寒い日が続きますが、きょう2月3日は立春です。旧暦では立春は1年の始まりにあたります。おとなり中国では旧正月を盛大に祝うと聞きます。

 ところで、近隣のお邸に「立春大吉」のお札が貼られているのを見かけました。(写真の矢印)これは「立春大吉」の全ての文字が左右対称になっており、裏から見ても同じように読めることから、やってきた鬼が入るのか出るのか混乱して帰ってしまうという伝説があって、鬼を遠ざけ、1年を平穏に過ごすことができる「魔よけの御札」というわけです。

 立春が1年の始まりなら前日は大みそか。古く宮中では「追儺(ついな)」「鬼やらい」といって、大みそかの夜に、人にとりついた災難を追い払う儀式があったのですが、現在の「節分」はそのなごりです。

立春大吉

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2025/2/1(土) 伊藤茜先生の作品展・東京藝術大学に行ってきました

 2月1日(土)午後、本校美術科の伊藤茜先生にお招きいただき、東京藝術大学美術館などで行われている展覧会に寄せてもらいました。写真の作品は、川の底をイメージする日本画の大作(大きさがわかりますよね)と、心揺さぶられる空間でした。子どもの頃「川の底はどう見えるのだろう」との思いを持ったことがあったそうで、川の表面と水底(みなそこ)のイメージを描き分けるのに岩絵の具を選び、立体感を出すのに苦心したとおっしゃっていました。この作品とは別に、国宝である信貴山縁起(しぎさんえんぎ)絵巻を現状のとおり模写する先生ほかのプロジェクトによる日本画も繊細で見事でした。

東京藝術大学卒業修了作品展

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2025/2/1(土) 合唱発表会が始まりました

 2月1日(土)から、1・2年生の音楽の時間に合唱発表会が行われています。きょう2時限目は2年1組と9組の合唱を聞くことができました。ニクラス全体で「僕のこと」を演奏、各パートのバランスの取れた素晴らしいハーモニーでした。1組はアンジェラ・アキの「手紙」、9組はmiwaの「結」を演奏、聴いてくださった全ての先生からコメントしていただきました。

合唱発表会

不手際で写真ファイルを壊してしまったため、別にいただきました。m(_ _)m〈2月1日(土)21時更新〉

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2025/1/31(金)AIがやったとは言えません

 先日、ある会議の記録係になり、会議内容を録音し「文字おこしツール」にかけたことがあります。その性能が格段にアップしていることに感動しました。ただ、業界(?)用語と言いますか、独特の言い回しが似た発音の別の語に置き換えられているところがあったり、話のとくに語尾の「yes」「no」が逆になっていることもあったりして、日本語では文の最後まで注意深く聞かないと意味を取り違える可能性があると改めて感じました。

 DeepSeekというAIが話題を集めていますが、ここにきて、AIの進歩が急速です。数か月ほどで状況が大きく変わっています。とはいえAIが出してくるのは、ネット上にある膨大なデータの積み上げ学習と思われます。とすればネット上の情報は玉石混淆。AIが結果を導くにあたり、事実と異なるフェイクが大きな影響を与えているかもしれません。

 情報発信に責任を持つのは自分です。AIがやったとは言えません。内容や言い回しが正しいかのチェックはもちろん、著作権に触れる行為はないか、不正義な点はないかなど、きちんと対応すべき点が多数あるように思われます。

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2025/1/30(木)勉強の合間にはリラックス 最後まで食らいつきましょう

 3年生は1月27日(月)で学年末考査も終わり、28日(火)から家庭研修に入りました。朝、登校のようすを見ていますと、始業時刻ぎりぎりに登校する生徒が激減(!)しました。進級してもこの様子が続くとよろしいです。

 出願先に悩んだ人も多いと思います。前年度に志願者が多かった大学学部を敬遠したり、逆に低倍率だった大学学部は「ねらい目」かもと迷う気持ちはお察ししますが、数字に惑わされず、行きたい学びたいと思える大学学部に最後まで食らいつきましょう。勉強の合間にあなたなりのリラックス方法もときおり混ぜながら乗り切ってください。応援しています。

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2025/1/28(火)「広がる高校生ボランティア」報道されました

 2025年1月27日(月)の日本教育新聞1面に、「広がる高校生ボランティア」「能登目指し大阪から埼玉から」という記事で、所沢高校有志生徒と先生が、去る11月14日の県民の日を活用して、能登の豪雨災害に伴い側溝の土を取り除く活動をしたことが報道されました。

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2025/1/24(金)「現代語に訳す」とは?

 きょうから3年生は学年末考査となります。有終の美を飾ってほしいと願うばかりです。そこで、古典の授業を見学して感じたことを書きます。「現代語訳しなさい」というとき見たいのは、古文のことばを現代のことばに置き換えることができているかどうか、です。その文の一つ一つのことばが意味するところを正確に現代のことばに置き換える、という意味です。「自今以後も汝(なんぢ)らよくよく心得(こころう)べし」(平家物語『殿下乗合』)を訳す場合「べし」が現代語の「べき」に当たるにしても「よくよく心得(こころえ)るべきだ」では残念ながら訳したことになりません。

 参考書に載る現代語訳は、時代背景や前後関係を補い、こなれた訳に仕上がっているので、古文のどのことばがどのように現代語に置き換わっているのかわかりにくくなっていることがあります。学習上の「訳」というのは「英語→日本語」も同じだと思いますが、「正確に」「一つ一つのことばを置き換える」ことを意識しましょう。ちなみに、古文は同じ日本語だけに語順については現代語とほぼ変わりません。

 「ギョエテとは俺のことかとゲーテいい」という川柳があります。明治時代の作らしいのですが、ギョエテかゲーテか、エルサレムかイェルサレムか、ロサンゼルスかロスアンジェルスか…など、外国の人名や地名を日本語にするなど、異なる言語のことばを写し取るには限界があり「ゆれ」を生じます。日本語どうしでも、時代が大きく離れている現代語と古文にも、同じように訳すうえでの限界がある、つまり「近似値」なのだと思ってください。

 高校生活最後の考査です。美しく決めましょう。

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2025/1/23(木)1学年ラグビー大会が開幕しました。

 きょう1月23日(木)午後、1学年の第51回ラグビー大会が開幕しました。別に「今日の所高」に載ると思いますが、3試合がPK戦にもつれ込むなど熱戦が続き、全力で競技にぶつかるようすは見ていてすがすがしいものでした。本校にラグビー部はありませんが、この大会が連綿と続いていることに伝統を感じます。本日は駿河台大学ラグビー部のお二人の選手にお越しいただき、ご指導いただきました。ありがとうございます。

ラグビー大会開幕

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2025/1/20(月)大学入学共通テストおつかれさまでした

 1月18日(土)19日(日)の2日間にわたって大学入学共通テストが行われました。所高生も多数受験しました。実力を発揮することができましたでしょうか。新科目の「情報」が基本的な問いが多く「意外にできた」とか、理科(化学)の化学発光に関する問題で『枕草子』の「夏は夜…蛍の多く飛びちがひたる」が選択肢にあったりと、従来の常識(?)にとらわれず出題していることが見て取れました。
 このあと、さまざまな情報を見ながら具体的に出願大学を固めていくことになります。応援しています。

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2025/1/17(金) きょうは「おむすび」の日

 30年前(1995年)のきょう1月17日のあさ5時46分、阪神淡路大震災が起きました。ところで、1月17日は「おむすびの日」でもあるそうです。阪神淡路大震災が起きた時、被災地への炊き出しに「おむすび」が届けられた温かい心の象徴として記念日とした、とのことです。災害の発生を防ぐことはできないにしても、自助、共助、公助がうまく組み合わされば、復興を速め被害を減らすことができるはずです。

 ちなみに6月には「おにぎりの日」というのもあるようです。

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2025/1/16(木) 阪神淡路大震災(1995年)をイメージする

 30年前(1995年)の1月17日の早朝、阪神淡路大震災が起きました。高速道路の高架や新幹線の線路が崩壊した写真には衝撃を受けました。昨年度の修学旅行で、避難所となった旧神戸市立二葉小学校で避難所体験を行いました。

 被災経験者であるボランティアの方のお話が印象に残っています。救助された人の7割弱が家族も含む「自助」、3割が隣人等の「共助」により救助されており「公助」である自衛隊や救助隊による救出は2%に過ぎなかったというのです。

 政府の地震調査委員会は、次なる巨大地震とされる南海トラフ地震が今後30年以内に起きる確率を「80%程度」と公表しました。大地震が起きた場合、翌日くらいまで消防車も、救急車も、救助隊も来てくれない可能性が高い。事態を想定して「自助」「共助」できる態勢をつくっておくことが大切だと思います。改めて「安全・安心」が「あたりまえ」ではないことを考えてみましょう。

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2025/1/13(月)「吾妻地区新春のつどい」に参加しました

 きのう1月13日(月)は成人の日でした。所沢市内でも着飾った新成人の方々を見かけました。

 この日行われた「令和7年吾妻地区新春のつどい」に参加してきました。所高近隣の町内会の連絡組織である吾妻町内会連絡協議会のみなさまが主催され、町内会のみなさま、消防、スポーツ活動、交通安全の見守りはじめ地域に根ざした活動をされている方々など百名を超える方々が出席、にぎやかな会となりました。来賓に小野塚所沢市長様、国会議員・県議会議員・所沢市議会議員の方々など、各界のみなさまが一堂に会し、地域が、非常に多くの方に支えられて成り立っていることをあらためて実感しました。

 会場内では町内会の活動を紹介する映像が流されていましたが、昨年秋の吾妻地区文化祭で活躍する所高生も紹介されていました。関係のみなさまからも所高生の活動についてお褒めのお言葉をたくさんいただきました。地域の方々と楽しく交流でき、楽しいひとときでした。

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2025/1/11(土)土曜公開授業&学校見学会にご来校いただきありがとうございました

 きょう令和7年1月11日(土)は「ラッキーセブン」に数字のはじまり「111」が並ぶ縁起のいい日です。所高はみなさんの挑戦の一歩を後押しします。受験生のみなさまも体調には十分留意され、がんばってください。

 本年度13回目の土曜公開授業を行い、並行して教職員による個別相談などを行いました。学校概要の説明については別に動画を用意しています。きょうも「お見せするための授業」ではなく、レギュラーの授業を行っています。ありのままを見ていただき、進路選択の参考にしていただければ幸いです。

 お寒いところ、また貴重な受験勉強の時間を割いてご来校くださいました中学生、保護者のみなさま、ありがとうございました。

土曜公開授業土曜公開授業

土曜公開授業土曜公開授業 

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2025/1/10(金) 3年生「演奏研究」選択者コンサートを行いました

 1月10日(金)3年生の音楽「演奏研究」選択者によるコンサートが行われました。選択者全員による合唱を皮切りにハンドベル、創作曲の弾き語りなど、それぞれの思いが込もった美しい響きを披露しました。「崖の上のポニョ」など誰もが知っている曲もあり、音楽室がさわやかな雰囲気に包まれ、心にしみるひとときでした。

演奏研究選択者コンサート演奏研究選択者コンサート演奏研究選択者コンサート

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2025/1/8(水)【3学期始業式あいさつ】「共通通貨」を求めよ

 新年おめでとうございます。令和7年が始まりました。ことしは戦後80年。昨年9月の修学旅行で認識を新たにした激しい沖縄戦から80年が経過したことになります。昨年日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受けました。受賞の席でも戦争体験者や被爆者の方々が高齢となり、若い世代による継承の意義が強調されましたが、未だ収束の見えぬ国際情勢の現状があります。一昨年9月の修学旅行では避難所となった旧神戸市立二葉小学校で震災体験学習を行いましたが、1月17日で阪神淡路大震災から30年になります。

 この冬休み、フォーク部が全国高等学校軽音楽発表会への進出を決めたということで、3月に福岡県久留米市で大会が行われるそうです。後日壮行会が開かれるのだと思いますが、まずはお知らせしておきます。おめでとうございます。活躍を期待します。

 3学期の始めにあたり、「共通通貨を求めよ」という話をしようと思います。

 先日、新聞の「人生相談」欄にこんな記事がありました。相談者は事務職の女性です。書類に誤りを見つけたので修正してほしいというと「大きな影響はない。いちいち直していたら効率が下がる」と言われ、自分の仕事の意味を否定され空しい、という相談です。回答者は「仕事における効率性と正しさとのバランスをどうとるか」は、企業内でもよくみられる対立である。価値観が違う集団が折り合いをつけていくためには両者にとって利害が一致する「共通通貨」を見つけ、最大化する必要がある、と回答しています。(讀賣新聞12月17日「人生案内」)

 営業担当者は価格や納期など客の要求に応えたい。企画デザイン担当者は経費や時間をかけて質の高いデザインをつくりたい。法務担当者はコンプライアンスに不備があっては困る。会計担当者は必要な経費を確保するためには各方面との調整がいるしそのための手続きもいる。無駄な支出はカットしたい。客を満足させたい思いが対立を生みます。「最大の共通通貨」をどのように求めるか。この問いに正解はなさそうです。

 ここ数年の入試問題を見ていると、知識があれば解答できるような問題が減り、「『共通通貨』を求めよ」という問題が増えています。

 かつては、定型的な知識や解き方をたくさん持っていることが評価されてきました。これまでは、世の中の変化が緩やかだったので、ストックしてきた経験や知識を活かすことが解決への近道でした。さまざまな情報にアクセスすることが簡単ではなかったため、経験豊富でさまざまな知識を持っている人が重宝されました。

 検索が手軽になり、AIが入ってくるとストックされた知識そのものの値打ちが下がるのが速くなります。新モデルの製品が発表されるとこれまでのモデルが安くなるように。世の中の変化が激しくなると、「やったことがある(経験)」の価値も大きく下がります。

 いまは、自分とは価値観の異なる人たちとコミュニケーションを図り納得感のあるかたちで伝える力や、答えのない問いに協働して取り組む姿勢が重視されていることが見て取れます。共通テストもマーク式ながら思考力や表現力、多様性や協働性を測ろうと工夫していることがわかります。

  一つの例です。正月恒例の箱根駅伝では「外国人留学生については、エントリーされる16名のうち2名まで、大会当日出場する10名のうち1名まで起用できる」というルールがあるそうです。

 外国人留学生とはどういう人を指すのでしょうか? そもそも日本人とはどういう人を指すのでしょうか? 枠組みに入るのは誰で、誰が排除されるのでしょうか。

 どのように枠組みを設定するかによって、まったく異なる結論が導かれることが予想できます。つまり論理そのものがどんな場合にも通用する普遍的なものでないことをおさえておきたいと思います。

 「論理」が普遍的なものでない以上、論理を組み立てる力、論理的に考える力もまた普遍的ではないことになります。

 筋道が通っているように見えても、「自分に都合のよいロジックを組んでいないか?」「事実と意見、目的と手段などを区別して考えているか?」など、前提そのものを疑い、本質を吟味する必要があります。

 総合的な探究の時間発表会などを見ると、所高生の強みは正解のないことをおもしろいと思える「沸点の低さ」「フットワークの軽さ」「協力を引きつけるフックの力」とプッシュ力にあると考えます。「共通通貨を求めよ」という入試も含め、風は所高生に吹いています。

 3学期も期待しています。

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2025/1/7(火)「冬日」つづく

 所沢では新年に入り1日(水)と4日(土)を除き、きのうまで最低気温が(おもに朝ですが)氷点下となっています。(アメダス記録による)「冬日(ふゆび)」で、手元の国語辞典によれば「冬の太陽。冬の弱い日差し」また気象で「1日の最低気温が0℃未満の日」とあります。「冬の日差しや太陽」「気温が低い日」二つの意味があるのですね。最低気温0.0℃の日は「冬日」でないようです。

 東京での冬日の出現回数も減っているようで、池袋から電車に乗ったときなど「(乗った30分前より)寒い!」と感じることが多く、暖房のため寒く感じるのかと思っていましたが、データを比べてみると気のせいではないようです。

 あす1月8日(水)が全日制・定時制の始業式となります。今週1月11日(土)には学校見学会を予定しております。授業や生徒有志との個別相談を通して所沢高校の「素」にふれる機会です。所高を感じ足りない方はぜひお出かけください。風邪などひかないようお過ごしください。

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2025/1/6(月)今年もよろしくお願いいたします

 令和7(2025)年は干支でいうと乙巳(きのとみ)の年に当たります。手元の漢和辞典によると「乙(きのと)」は草木が自ら芽を吹くさま、「巳(み)」には春になりさまざま色づくという意味があり、そこから体が色づき模様のある「へび」をイメージするようになったということです。

 ことしは戦後80年。修学旅行で認識を新たにした沖縄戦から80年となります。昨年日本被団協がノーベル平和賞を受けましたが、戦争体験者や被爆者の方々が高齢となり、若い世代による継承の意義が強調されました。

 へびは脱皮をくりかえして成長します。皮を脱ぎ捨て新しく生まれ変わります。再生や不老長寿を象徴する縁起の良い動物、または神の使いとして信仰されてきました。新しいものを取り入れ、挑戦していきましょう。

 あさって1月8日(水)が全日制・定時制の始業式となります。今週土曜日1月11日には学校見学会を予定しております。所沢高校の「素」にふれる機会です。まだ感じ足りない方はぜひお出かけください。風邪などひかないようお過ごしください。

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2024/12/27(金)「きざしつはる」

 12月21日の冬至から日ごとに日が長くなってきますが、これからが寒さの本番。兼好法師の『徒然草』にこんな一節があります。「木の葉の落つるも、先づ落ちて芽ぐむにはあらず。下よりきざしつはるに堪へずして落つるなり」(木の葉は、葉が落ちてから芽が生まれるのではない。葉の下から芽を出し、その勢いにこらえきれないで散るのだ。/155段)というのです。自然のいとなみを通して、時代や人間のありさまを写す眼力が光っています。

 「つはる」は、おなかに赤ちゃんがいるお母さんの「つわり」のもとになることばです。赤ちゃんの勢いが「つわり」を起こすのですね。この段で兼好法師は、物事を進めるには時機をわきまえる必要があるが、必ずやり遂げなければならないことは時機を言っている場合ではない、と言います。「いつやるか?今でしょ!」(2013年の流行語大賞)というわけです。

 あじさい(写真/12月22日写す)を見ると、すでに芽吹いています。受験を控えがんばっている所高生と中学生のみなさま、この勢いですばらしい春を迎えましょう。

きざしつはる

 

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2024/12/23(月) 2学期終業式あいさつ「ふつう」は「ふつうでない」

 インフルエンザや風邪症状の人がふえ、12月18日には県内の「流行注意報」がでました。先週には学級閉鎖のクラスが出てしまい、ここにきて欠席者が増えてしまいました。体育館で一堂に会するのは感染を広げてしまう恐れがあるため、校歌演奏や表彰を体育館で行いながらも全校生徒には教室でライブを見てもらう形に変更しました。

 年末年始は人の動きも多く、感染がさらに拡大しないかと心配です。予防のため、手洗いや換気、適度な湿度を保つなど、注意を払ってもらいたいと思います。

 さて、2学期の終わりにあたり、「ふつう」とは何かを考えてもらいたいと思います。

 みなさんがイメージする「ふつうの人生」とはどのような人生でしょうか。何かを聞かれて「ふつう」と言ったり、味を聞かれて「『ふつう』においしい」と言ったりするのを聞きます。みなさん「ふつう」ということばが好きみたいです。私も、高校生の時には「ふつうの人生」ありふれた、あたりまえのコースをたどるのかなあと漠然と思っていました。

 こんなデータがあります。2009年3月に卒業した全国の中学生を1000人としたときに、何人がどういう進路をたどったかを示すというものです。1000人のうちの970人が高校進学→896人が高校卒業→413人が4年制大学進学(現役進学者のみ)→331人が4年で卒業→240人が就職(正規雇用のみ)→163人が3年以内に離職せず(以上すべて1000人中)というのです。(出典:『現場で使える教育社会学―教職のための「教育格差」入門』187p(中村高康、松岡亮二編著/ミネルヴァ書房2021年)

 卒業して就職した会社に定年まで勤めるのが「あたりまえ」「ふつう」と言われてきました。じつは中学校卒業から10年間で1000人のうち837人が異なる進路をたどっており、この段階でいわゆる「ふつう」は16%に過ぎなかったということになります。

 これからもっと「ふつう」であることが「ふつう」でない時代になっていくのです。一人ひとりに注目すると、それぞれに違いがあって、「十人十色」「生徒の数だけ色がある」所高でも、いっぽうで「これが『ふつう』」という基準をつくりだしていますよね。けがしたときなど、これまで簡単にできていて「ふつう」だと思っていたことが、「ふつう」なのではなく、とてつもなく恵まれたすごいことだったことに気づき、今まで見えなかった別の景色がみえてくることがあります。といって、そのためにけがをするのも大変です。現実から想像を通していかに学んでいくか、自立した学びが必要になるのです。

 ことし10月には、史上最大の素数が発見されたとニュースになりました。4102万4320桁といわれて想像もつきませんが、どの数が素数か、規則性が解明されていないそうです。このように答えがわからない問いは分野にかかわらずころがっているようです。

 先日、所高生と菓子メーカー不二家との共同開発によるスイーツ「ぷるぷる♪狭山茶のつや玉」について話を聞く機会がありました。2021年の総合的な探究の時間に、地元の狭山茶に光が当たっていないという問題意識から、商品開発を思い立った。さっそく電話、門前払いの会社もあったなか興味を持ってくれたのが不二家。企画を提案するにあたり「お茶を知らないと」とお茶の問屋さんに出向いて知識を仕入れ、茶摘みを体験、お茶のサンプルをたくさんいただいてきたとか。これらを携え、不二家でも熱心に耳を傾けてくださり、企画が動き出したそうです。

 この「沸点の低さ」「フットワークの軽さ」「協力を引きつけるフックの力」と、力押しにも見えるプッシュ。所高生の強み「3つの『フッ』プラス『プ』」が全開となっています。教育の場では「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」と言われます。魚を与えるのはそのときだけで終わりますが、魚の釣り方を教えると、この先も繰り返し魚を手に入れることができるからです。所沢高校はそういう学校だと感じています。その意味での舞台装置が総合的な探究の時間だけでなくいろいろとあります。自立した学びの入り口と言っていいと思います。

 それではよいお年をお迎えください。

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2024/12/20(金)目が開かれる思いです

 今週、全日制では助産師の櫻井裕子氏から「プレコンセプションケアについて」、ヤングケアラーコーディネーターの田中悠美子氏と経験者の高橋唯氏から「ヤングケアラーについて知ろう」など、興味深いお話をうかがう機会がありました。プレコンセプションケアについては、とくに生徒の関心が高かったようで、質問がつぎつぎに寄せられたようです。

 また、定時制でも青年海外協力隊員としてアフリカの国々で活躍した経験のある日本語教師の鈴木聡氏、県立総合教育センターの澁澤隆美指導主事をはじめJICA(ジャイカ/国際協力機構)の方々から「世界に目を開く」というお話をしていただきました。鈴木氏からはほぼ1時間英語で講演していただき、さまざまなご経験をお聞きし目を開かれる思いでした。

 このホームページにそれぞれ報告がありますが、第一人者の方々からのお話を聞くことができるのも学校に通う意味があると感じます。

 県内や東京では12月18日(水)の夜に初雪が観測されたと聞きますが、所沢では小雨でした。定時制の行事に参加し所沢駅に向かうと、大きなクリスマスツリーが彩られていました。(12月18日20時ごろ写す)

所沢駅

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2024/12/18(水)ベートーヴェン「第九」に乗せて

 日本では年の瀬の風物詩となっている観があるベートーヴェン作曲の交響曲「第九番」を聴いたことがあるかと思います。ことし2024年は、日本人の演奏により「第九」演奏会が東京音楽学校(現在の東京藝術大学)で初演(1924年11月)されて100年の節目の年となりました。日本で最初に「第九」が演奏されたのは、これに先立つこと6年、1918年6月のことです。会場は当時徳島県にあったドイツ兵俘虜(ふりょ)収容所でした。とらえられた捕虜のドイツ兵たちの強い希望だったというわけです。

 「第九」には4つの楽章があり、通して演奏すると1時間以上かかる大曲です。第4楽章は「歓び(の歌)」で知られますが、出演する独唱ソリストやオーケストラの背後に並ぶおおぜいの合唱団は出番まで1時間近く待つことになります。それほどの曲ですから準備にも時間と経費がかかり、たくさんのお客様に来ていただかないと大赤字…と、演奏会を催すにも大変な苦労があったはずです。

 「第九」は平和と人類への愛、友情をテーマにしています。「歓びの歌」は、「互いに抱き合おう」と繰り返されます。ベートーヴェンが「第九」を作曲した1824年ごろといえば、ヨーロッパやアジアで戦争が続き、伝染病も蔓延し多くの人が命を落とします。貴族から奴隷まで身分の分断も激しかったはずで、なんとなく現在に重なります。

 「非日常のものだ」と思っている戦争は、簡単に日常を侵す可能性があります。こんにちの世界の動きを考えるとき、一人の、あるいは少数の政治家の決断がどれだけの自国と他国の人々の生活を変え、当事国だけでなく世界中を不幸にしてゆくかがわかると思います。作曲者とともに演奏を通して表現者は受け手へのメッセージも乗せているはずで、込められたメッセージに改めて思いをいたしたいと思います。

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2024/12/17(火) 御母堂様の大切なお品、大切に活用させていただきます

 過日、市内にお住いの孫田 正八様より、本校茶華道部の活動に役立ててほしいとのことで御母堂様がご生前大切にされてきた花器や手作りのお品を御寄贈いただきました。

 ありがとうございました。御寄贈いただいた品を大切に活用させていただきます。生徒のみなさんには御母堂様のお気持ちを生かし、専心に励んでほしいと思います。

 今後とも、本校の教育活動にご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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2024/12/12(木)漢字の日・今年の漢字

 きょう12月12日は、(公財)日本漢字能力検定協会(漢検)が1995年に制定した「漢字の日」だそうです。「いい字一字」のごろ合わせで(イイ(=1)ジ(=2)イチ・ジ(=12)と読むところからとのこと。「今年の漢字」は京都の清水寺で貫主さまが揮毫して発表されますが、その漢字は「金」…今年開催されたオリンピック・パラリンピックでの日本勢の活躍や、政治家の「裏金問題」など拝金主義が横行、佐渡金山の世界遺産登録など、「金」をめぐる話題が多かった一年でした。過去にもオリンピックの年には選手の活躍を称えるなどで、「金」が選ばれ(2021・16年)ていました。

 みなさんにとっての「今年の漢字」を1字で表すとしたら、どの漢字になりますか?

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2024/12/10(火)12月9日は所沢でも氷点下に

 全日制・定時制とも期末考査が続いています。受考のようすを廊下から見ていると、生徒は真剣に考査に挑んでいます。きのう9日(月)は所沢での最低気温が0℃を切り-0.4℃(アメダス記録による)だったとのこと。きょうはそれほどの低温ではないようですが、市内の高校で学年閉鎖になっている学校もあると聞きます。体調には十分気をつけてください。

 朝だけでなく考査中にも通路から富士山がきれいに見えました。所沢高校からそれほど遠くない荒幡の地にも「富士山」(荒幡富士)があり地図にも載っています。この山の「登山口」には浅間神社が祀られており、富士山が信仰の対象であったことがわかります。私もここで「富士登山」に挑んだ(?)ことがあります。

(3階通路から10時55分頃写す)

所沢高校から富士山を望む

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2024/12/6(金)「所沢 SecletBase(シークレットベース)」で活動する所高生

 12月6日(金)の午後、子どもの「居場所をつくる」支援を行うNPOで活動している所高生から「地域とコミットした活動について発表するから来てください」とのことで、子ども地域ネットワーク所沢・活動報告会を聞きに行きました。

 所高3年の戸田瑛登さんと2年の大河原彩翔さんが登壇、「所沢SecletBase」という活動を行っているそうです。市内には不登校児童生徒が800人、支援の手が必ずしも届かず、支援を求める人はもっと多いはず。午前は不登校の子どもの居場所として、午後(放課後)は高校生などの活動拠点として、所高生はじめ高校生主体で運営するとともに、さまざまなイベントを仕掛けている。父の転勤に伴い引っ越し先の学校で当初溶け込めずにいた体験もあり活動に力を入れている。活動を通して地域の活性化にも貢献したいとのことでした。参加した方々から「わかりやすいプレゼン」「高校生の力量に感動」などのことばもありました。

 会場には二人のほかにも所高生が参加していました。いつも感心するのですが、沸点が低い・フットワークが軽い・フック(外部とつながる)の「3つのフ」プラス「プッシュ」の押す・推す力は所高生らしい特質です。地域から期待される所高生、さすがです。

子ども地域ネットワーク所沢・報告会子ども地域ネットワーク所沢・報告会

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2024/12/5(木) SNSを悪用した犯罪を防ごう

 定時制ではきょうから、全日制ではあすから期末考査が始まります。自習スペースは毎日フル活用されています。よき新年が迎えられるよう最善を尽くしましょう。

 先週、所沢署の方にお話を伺う機会がありました。
 所沢署管内でも「福祉犯」が減らない。「福祉犯」とは、少年の福祉を害する犯罪を指し、「闇バイト」なども含め、SNSが入口になることがほとんど。万一、SNSに起因する被害を受けた時には「犯人が証拠写真やメッセージが消してしまわないうちに」「早く相談」が重要。証拠がないと犯罪そのものの立件ができないので、一刻も早く相談してほしい。2024年2月には改正刑事訴訟法が施行されており、性犯罪などの被害者を守る個人特定事項秘匿制度により、犯人に氏名などが通知されないことが原則になっているので、被害を受けながら相談できない人や保護者に知らせてほしい。…とのことでした。

 また、孫や甥(おい)、市役所や金融機関の職員を名乗る犯人が「会社での失態を弁償」「保険料の還付がある」などと電話をかけ、ATMを操作させたり、キャッシュカードを受け取りに来たりして、信じた被害者からお金をだましとる詐欺の手口があります。このような「特殊詐欺」の被害者は圧倒的に高齢者が多いです。中高生の子どもや孫(あなた)からご家族に注意するよう言ってもらえると、被害に遭う前に気を付けてくれると思うので、ご家族で話題にしてほしいとのことでした。

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2024/12/3(火)~紙の辞書を使う意味~

 論理表現(英語)の授業を見ていて、紙の辞書を使っている人はほとんどおらず、電子辞書を使う人がやや多く、辞書そのものを使わずネット検索で済ます人も多い印象があります。紙の辞書だと重くてかさばるうえに発音を表すことができない。電子辞書なら持ち運びしやすく早いし手軽。スマホで済むならそもそも辞書も必要ない。ただ、ネットや電子辞書でクリックひとつで目的の単語に行き着く合理性は「他人が持っている情報を見せてもらう」ことと同じなので、記憶に定着させるとなると弱く、自分の使えることば(語彙)が増えていかないように思います。

 授業やこの欄を準備しているとき、複数の辞書を参照し見比べたいことがよくあります。電子辞書でも切り替えは可能ですが、異なる編著者が違った視点から説明するのを実感しながら読めるのは紙の辞書ならではです。ページをめくり目的のことばにたどり着くまでに、途中のページにひっかかり、迷っていた別のことが解決したり、どのような関連でことばが説明されているかに気づいたり、目的のことばの近くに並ぶ別のことばなどに気を取られながらようやく目的のことばにたどり着くなど、この過程こそがことばを使いこなすために大事だと感じます。

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2024/11/30(土)ご来校いただきありがとうございました・土曜公開授業&第4回学校見学会

 11月30日(土)は、本年度11回目の土曜公開授業を行いました。多くのご来校者に所沢高校の授業を見ていただき、部活動の見学、有志生徒による個別相談、教員による個別相談などを行いました。学校概要の説明については別に動画を用意しています。今日の授業も通常の授業です。「お見せする」ための授業ではございません。ありのままを見ていただき、進路選択の参考にしていただければ幸いです。

 生徒にとっては期末考査まで1週間となりました。ここががんばりどころです。
 中学生のみなさまも体調には十分留意され、目標に向け進んでください。
 ご来校くださいました中学生、保護者のみなさま、ありがとうございました。

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2024/11/26(火)「もみじ」と「かえで」

 きょう1時間目、2年生の書道の授業を見学しました。秋をイメージする漢字を書で表現するというテーマで、生徒は創作に励んでいました。選ぶ題材によっては著作権にも注意することにも触れられ、生徒は「月」「桔梗(ききょう)」「甘藷(さつまいも)」などおもいおもいに表現し、完成作には落款(らっかん/落成の款識(かんし))が捺され、立派に仕上がっていました。これも生徒が彫ったそうです。

 ところで、授業で「もみじとかえではどう違う?」という話があり興味を惹かれました。

 「もみじ」のもとである「もみつ」という古語の動詞があります。「葉が色づく」「紅葉する」という意味ですが、時代が下ると「もみづ」と濁音化するなど発音の変遷も感じることばです。また、『万葉集』では(先週この欄で紹介した「春と秋とどちらがいいか」など)ほとんど「黄葉」という漢字をあてます。中国から伝わった書き方でしょうが、当時は葉が赤く(紅く)なるより黄色くなることを賞美したのかもしれません。現在「紅葉」と書くのと異なりおもしろいです。

 「かえで」は古語で「かへで」と書きます。葉の形が蛙(=かへる)の手に似ていることから「かへるで」がつづまった形、と古語辞典にあります。「もみじ」との違いは諸説ありそうですが、葉の形か大きさの違いということになりましょうか。

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2024/11/25(月) 長距離走大会を走り終わって

 11月22日(金)に狭山市の入間川サイクリングコースを会場に長距離走大会を行いました。大会運営に協力してくださった関係各機関のみなさま、応援してくださったご近隣の方々、ご通行中の方々ありがとうございました。

 きょう2時間目、選択体育の授業を見学しました。大会翌日ということもあり、このクラスでは、100位までに入った10名の生徒が拍手で讃えられていました。また、ほとんどの生徒が「自分として頑張ったと言える」に自信をもって(‼)手を挙げていました。スピードはある意味「生まれつきの素質」だと思うのですが、持久力や忍耐力は学習することで強化されると考えます。困難から逃げずに正面から取り組むことができるというのは、所高生の特筆すべき資質です。

 あす11月26日は「いい(11)チーム(26)」の日、ソフトウエア関係の企業が制定した記念日だそうです。強みを高め合い、弱点はフォローしあうことで、組織として力を最大にできればどんなことでも実現しそうです。

長距離走大会 長距離走大会

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2024/11/19(火)秋と春とを比べると?

 きのうあたりから急に寒くなってきました。ただいま定時制の3年生は修学旅行で関西に行っています。行きの新幹線では美しい富士山が見えたそうです。今朝の富士山は頂上近くが真っ白になっていました。17日(日)に見たときは雲も多いながら、雪の白さがわからない感じでした。いよいよ秋も終わりですね。
 『万葉集』に「春の花のさまと秋の葉のさまとを競わせたら」との御下問に額田王(ぬかたのおおきみ)が応えた和歌があります。

 冬ごもり 春さり来れば 鳴かざりし 鳥も来(き)鳴きぬ 咲かざりし 花も咲けれど 山を茂み 入りても取らず 草深み 取りても見ず 秋山の 木の葉を見ては 黄葉(もみじ)をば 取りてそしのふ 青きをば 置きてそ歎く そこし恨めし 秋山われは(巻一・16)

(大意)春になると鳥も来て鳴き、花も咲く。山は茂っており手に取れず、草も深く手折って見ることもできない。秋の山は葉を見る、もみじを手に取り賞賛し 青い葉はそのままにして嘆く。そこに恨めしさを覚える。秋の山こそ私は。

 秋の色づく美しさの勝ち。葉の色は遠くから見るのが美しく、花の色は手持ちで見るのが美しいのだが「山が深く手で取れない」から秋の勝ちだというのです。鎌倉時代の兼好法師は『つれづれ草』で花見に来て枝を折って騒ぐ人を非難しています。(137段『花は盛りに』)花は遠くから眺めるのがよい、というのです。「春と秋のどちらが好き?」はいまでも話題になりますが、奈良時代『万葉集』まで遡ることができるのも驚きです。

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2024/11/16(土) 所高総探コラボ「ぷるぷる♪狭山茶のつや玉」誕生前夜

 きのう11月15日(金)の1年5組・7組地理の授業では、ゲストに5人の卒業生(大学生)が参加、菓子メーカーの不二家と所沢高校の有志生徒が共同開発したスイーツ「ぷるぷる♪狭山茶のつや玉」誕生を語ってくれました。ことし9月に所沢駅前・エミテラス所沢開業記念ということで販売されたことも記憶に新しいところです。

 話は2021年の秋、1学年の総合的な探究の時間(総探)の「マイテーマ」にさかのぼります。
 きっかけは、たまたま席が近い・部活動つながりなどから意気投合し5人でグループを組み、入間市に住む生徒の「地域の名産『狭山茶』の温度感が低い」との熱い課題意識からこのテーマに決まったとのこと。商品開発をしてみたいとその場で検索し、有力企業にさっそく電話、門前払いの会社もあったなか、話を聞いてくださったのが不二家さんだったとのこと。5人はまず、お茶を知らないと、というわけで狭山市の宮野園さんにアポを取ります。いろいろと教えていただき、茶摘みを体験させてもらい、お茶のサンプルをたくさんいただいてきたとか。事前準備も功を奏したものか、不二家さんでも熱心に耳を傾けてくださり、企画が動き出します。

 「形にする」には、幻想(イメージ)だけではまったく足りません。実際的な技能もそれ以上に必要になります。5人は「高校生だったからできた」と言っていましたが、この「沸点の低さ」「フットワークの軽さ」「協力を引きつけるフックの力」と、力押しにも見えるプッシュ。所高生の強み「3つの『フッ』プラス『プ』」が入学から半年で早くも全開となっています。

 スライドやアイディアスケッチの実物もまじえてたくさんのお話を聞くことができました。ここから先が気になる人は生徒から詳しく聞くとよいと思います。後輩への貴重なお話をありがとうございました。

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2024/11/12(火) 入試には「3つの『フ』プラス『プ』」と「戦略」

 きのう、推薦入試で大学への合格を決めた生徒が報告に来てくれました。

 書類審査に提出した資料のいくつかを見せてもらい、その質・量ともに圧倒されました。(書類審査を通過し)面接に呼んでもらえれば、合格に持って行ける自信があったそうです。確かに、推薦入試は大学入試の第一関門です。志望の理由や高校時代の活動実績を書いただけで合格できるわけがありません。

 大学で学びたいこと(テーマ)を熱く書き、面接でも熱く語ったそうです。一つのことに120点が取れ、合格できる人もいるが、自分はそうではない。ただし、80点は取れるものが三つある。三つの異なる強みを持つ高校生はそんなにいないとの読みもあったそうです。これらの強みを書類を読む先生や面接の先生に刺さるように考えたそうです。また、自分を合格させることは、大学にとってもメリットがあることを具体的にアピールしたと言います。写真も家族に200枚以上撮ってもらい、訴求効果を計算し提出資料に反映させたそうです。

 いろいろな機会にお話ししていますが、沸点が低い、フットワークが軽い、フック(他人や外部とつなぐ・つながる)の「3つのフ」…というのは所高生らしい特質です。プラス「プッシュ」。それらをどう磨き上げるか。お話を聞いて、推薦入試をおすすめできる人は次のような人だと思いました。
(その1)将来やりたいことが明確な人
(その2)熱烈に興味・関心を持つテーマがある人
(その3)他人を巻き込んで何かをすることが得意(好きな)人

 所高生の「3フ」をもとに戦略を立て周到に準備し事に当たる、そして「プ」が大事だと感じた貴重なお話でした。

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2024/11/8(金)生徒の話し合いを聞いて

 3年生の論理国語の授業を見せてもらいました。熊野純彦氏の「言語と他者」を扱っており、生徒はグループに分かれ、スライドをつくることで内容を理解する、という意欲的な授業空間でした。

 英語のwaterには、温度感がない印象があります。日本語の「水」には温度感があって、水そのものに「つめたい」という性質がくっついているといえます。英語で「熱いwater」と言えても、日本語では「熱い水」とは言いにくい。日本語では「水」と「湯」をどこかで区別(=異なるもの)して認識しているわけです。空から氷のようなものが降る現象も「ゆき」「みぞれ」「あられ」「ひょう」などと区別して認識します。

 時間の流れを考えたとき、どこからどこまでを過去ととらえ、未来ととらえるか。古文の助動詞「き」「けり」は直接経験したか伝聞など間接的な経験なのかを分けています。現代日本語では「た」しかなく、表す意味の守備範囲が広がっています。文脈で読み分ける必要が出てきました。「2004年狭山市に『生まれる』」は過去を表しています。「大阪に着いたら『連絡します』」は未来を表します。

 実際に自分の前にあるのは現在だけです。過去も未来も日本語という言語によって認識したものに過ぎません。連続しているはずのものやことを自分なりに区切って認識しています。使っている言語によって世界の「見え方」が変わってしまうということです。

 生徒の使い方を聞いていると意味の守備範囲が特に広い「やばい」という形容詞(?)があります。このことばを常用し、何かにつけて「やば」で済ますことは「私からの世界の剥奪」されただけでなく「他者に対する〈もの〉の呈示」にもなっていない状況なのではないでしょうか。

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2024/11/7(木) きょうは「立冬」体調に気をつけて

 きょう11月7日(木)は「立冬」、こよみの上で冬がおとずれたことになります。

 きのう富士山で初冠雪とのことでしたが、甲府地方気象台でも雲に隠され確認できなかったそうです。けさは校舎からくっきりと見えます。

 定時制では、あす夜の文化祭に向け、各学年とも準備に余念なく、遅くまでリハーサルが続いたと聞いています。

 秋が忘れられた感じもしますが、朝夕の寒暖差が大きいです。「tenki.jp」に「所沢市の風邪ひき指数」という数値が出ています。それによるときょうが「50」あすが「40」で、「風邪予防に、睡眠を十分に取ろう」「風邪予防に、過労に気をつけよう」とあります。体調管理に注意してまいりましょう。(富士山/きょう朝7時40分ごろ写す)

所高から富士山を望む

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2024/11/6(水)「オブジェ」ということば

 先週土曜日に学校見学会がありました。同じ日に市内の塾で所高の説明をしてきました。中学生に所高の概要を説明すると、体育祭で各連合が「オブジェ」を製作するという話になります。

 「オブジェ」ということばですが、『現代流行語辞典』(1974)の「年代別項目一覧表」に「『オブジェ』昭和4、新語だとばかり思っていたことばが案外古くから使われているのにおどろかされた」と見坊豪紀(けんぼうひでとし/国語学者・1914~1992)が書いています。(『辞書と日本語』玉川大学出版部)

 「オブジェ」は昭和4(1929)年の「新語」だというのですが、見坊氏は現代に近い「新語」と認識していたようです。国語辞典には、フランス語に由来するとして「ダダイズム、シュールレアリスムなどの前衛芸術において、象徴・夢幻・怪奇的効果をあげるために用いられる材料。従来は芸術的なものとなり得なかった石、流木、車輪、毛髪などさまざまなものがある。とくに生け花では花以外の日用品や自然物などのさまざまな物体。また、それを用いた造形美術」(日本国語大辞典・小学館)とあります。

 もともと日本になかった芸術的概念を主張することばだということがわかりました。辞書は引いてみるものです。

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2024/11/2(土)吾妻地区文化祭

 本日、吾妻まちづくりセンターで第54回吾妻地区文化祭が開催されました。SDGs・脱炭素ポスター展では、1年4組の千田奈々瑛さんの作品が高等学校部門で1位に輝きました。舞台発表では、ギター部・音楽部・吹奏楽部の生徒達の演奏が文化祭を盛り上げてくれました。参加した生徒のみなさん、ありがとうございました。文化祭は11/2と11/3の両日で開催されます。明日11月3日は、化学部による「科学実験室」が開催されます。よろしければ是非お越しください。

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2024/11/2(土)学校見学会においでいただきありがとうございました。

 11月2日(土)第3回の学校説明会を行いました。あいにくの雨でしたが、たくさんの中学生と保護者の方にお越しいただきました。部活動見学が変更になったりとご迷惑をおかけいたしました。生徒有志による個別相談会も好評だったようです。個別相談会では、生徒達が自分たちの感じていることのありのままを、みなさんに伝えています。第4回の学校見学会も個別相談会を予定しています。是非本当の所沢高校を聞きにきてください。

 本日はお足元の悪いなか、ご来校いただきありがとうございました。

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2024/11/1(金)昼休みの「アマリリス」

 昼休みが終わりに近づくと「アマリリス」のチャイム(予鈴)が流れます。

 調べてみると、この曲はフランス国王ルイ13世(1601~1643)の作曲と言われてきましたが、作曲家でもあるピアニスト ヘンリー・ギース(1839~1908)が古いフランス民謡を掘り起こし編曲したもののようです。ギースは、マダムたちにピアノを教授していたといいます。ちなみに、アマリリスの花言葉は「誇り」「おしゃべり」「輝くほどの美しさ」などだそうで、所高生にふさわしいのかも。

 あす11月2日(土)は、土曜公開授業に合わせて学校見学会があります。中学生や保護者の方のお越しをお待ちしております。

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2024/10/31(木)ハロウィンと「百人一首」

 10月31日はハロウィン。ハロウィンというと「お化け」ということになりますが、「百人一首」と聞いてお化けだと思った子どももいたという話もあります。これまで気にもしませんでしたが、百人のヒトに首が一つしかないというのですから、言われてみればたしかに「お化け」。なるほどと思います。

 小倉百人一首は、もともとかるたのための歌集ではありません。中世の歌人藤原定家 (ふじわらのていか・1162~1241)が、鎌倉幕府の御家人である宇都宮頼綱 (うつのみやよりつな・1178~1259)から、別荘の襖(ふすま=今でいうインテリア)にふさわしい和歌を依頼され、奈良時代から鎌倉時代の100歌人の優れた和歌を撰びました。インテリアにふさわしく四季や恋の歌が中心です。

 とすれば、本校の特色である「十人十色」(十人いればすべて色が違う)「百発百中」(百発矢を放てばすべて命中)と同じく「小倉『百人百首』」が正しいといえるかも。

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2024/10/30(水)スマホの呼び出し音が気になる人へ

 11月1日から、道路交通法に「自転車運転中の罰則」が新設され施行されます。

 「自転車運転中のながらスマホ」が罰則の対象になります。埼玉県警察のホームページによると、(交通事故を発生させるなど)「交通の危険を生じさせた場合」には1年以下の懲役又は30万円以下の罰金、「上記以外で、手で携帯電話等を保持して、通話や表示された画像を注視した場合」も、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金・取り締まりの対象となります。

 また、自転車の飲酒運転は、飲酒の程度にかかわらず禁止されていましたが、これまで処罰の対象となるのは「酒酔い運転(酩酊状態での運転)」のみでした。11月からは、酒気帯び運転や酒気帯び運転を幇助(ほうじょ=犯罪の実行を手助け=運転していなくても)する行為についても罰則の対象になります。

 スマホの呼び出し音に気づくとすぐ反応するような人は(罰則があるから、ではありませんが)心にとめておいてください。

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2024/10/29(火)学ぶ環境をつくれるか

 私たちは誰しも環境に適応しようとする性質があります。周りが「学ぶのが当然」という環境にいれば勉強しますし、学ばない人ばかりの環境にいれば、自分も学ばなくなる人のほうが多いでしょう。進学先選びが大事なのはこの点につきます。「『周りは周り』他人は関係ない。要は本人次第」というのは、実は難しいのです。

 さらに、学ぶ意欲がある人でも陥りがちな落とし穴があります。よく言われることですが、ネットには「フィルターバブル」といった現象があります。

 検索サイトなどでは、検索のキーワードや訪問したサイト、クリックしたリンクなどをアルゴリズムが分析し、蓄積していきます。その結果、利用者が好みそうな情報ばかりが表示されるようになります。これが「フィルターバブル」です。利用者の利便性を高める機能ですが、表示はより個人好みのものになり、利用者が関心を持たない(見たくない)情報は表示されなくなります。他の視点や自分と異なる考え、新しいトピックに触れる機会も消え「泡(バブル)」のなかに閉じ込められたのと同じような状態になっていきます。

 学習ツールとしてネットは「学び」そのものを変えました。無自覚に「幅広く情報収集している」と思い込むのは危険です。ネット上の情報は何が真実で、何が単なるうわさ話やフェイクなのか分かりません。自分には受け入れることのできない情報が真実だった、ということもあるかもしれません。受け取る情報を批判的に考える習慣を持つ、ネットだけでなく様々な情報源やツールを利用するなど、さまざまな視点や自分と異なる考えに意識して近づく努力が必要だと感じます。

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