お知らせ

9月1日、第2学期がスタートしました。始業式では、校長先生より以下のお話がありました。また、始業式に続いて英検2級合格者の表彰とシェイクアウト訓練を行いました。

「校長先生のお話」

 きょう9月1日は「防災の日」。きっかけとなった関東大震災(1923・大正12年)の発生から100年目にあたります。関東大震災では死者行方不明者が10万人を超えました。大きな地震がお昼近くの食事の準備など火を使う時間帯に起きたことや、木造の燃えやすい家が多かったこともあって、火災で命を落とした人が多かったと聞きます。

 12年前の東日本大震災(2011・平成23年)では、全国で約2万人が命を落とし、今なお2500人もの行方が分かっていません。埼玉でも交通機関が止まり、車も走れないので、なんキロも歩いて自宅に帰る人がたくさん出ました。私もその一人でした。携帯もつながらず、当時の職場があった浦和から自宅まで電車なら1時間のところを6時間以上かかったのを覚えています。

 同じころ、矢口先生が勤めていらっしゃった福島県の浜通り地方では、津波が押し寄せ、あらゆるものを飲み込み、数日後には発電所が爆発するという、深刻な事態が起きました。12年たったいまでも、処理水を海に放出することが始まったばかりで、発電所の復旧にはほとんど手が付けられていません。機会があれば先生からお話を聞くとよいと思います。

 埼玉でも、時には信号機も消え真っ暗という計画停電も経験しました。1400名もの福島県双葉町の方々が加須市の旧騎西高校に避難、最長3年の避難生活を送られましたが、埼玉の高校生もさまざまなボランティアに取り組みました。

 大地震に限りませんが、自然災害は必ず起こります。このあと「シェイクアウト」という地震が起きた際の対応訓練を行ってもらいます。どこにリスクが潜んでいるか、そのリスクからいかに自分を遠ざけるかを考えることが大事です。「大切な自分や他人のいのちをどう守るか」を考える機会にしてほしいと思います。

 「変化する世の中についていかないと」といいますが、強い、力がある人がつくった流行やトレンドなど、まわりについていくだけでは疲れるし、負担が大きいです。これからの世の中は強いもの、お金を持つものが生き残るのではないと思います。これまでみんなが何となく見逃してきた小さいことに気がついて、まわりにも見えるように大きくして誰にもわかるような形にする、小さいものを育てて大きくしていけることができる人がうまくやっていけるのだと思います。「小さいもの、見えないものを見えるように拡大する」「小さいものを大きくなるまで育てる」ことが大事だと思います。

 厳しい暑さもほどなく落ち着いてくると思います。2学期は大いに飛躍する学期です。期待しています。